新着情報 / NEWS + 20111129

◆◆◆ 3 TOPICS ◆◆◆


内覧会のお知らせ @ 千葉県大網白里町
Open house for new work by SUGAWARADAISUKE
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講演会【地場産業×建築家】集落のような仮設住宅 @ 3331 Arts Chiyoda
Lecture about Refuge Temporary Housing
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陸前高田市 小友町獺沢第2仮設団地 @ 住宅特集2011年12月
Long interview @ Japanese Leading Architectural Magazine
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詳細はSUGAWARADAISUKEのホームページより「新着情報」をご覧ください。
Detail Information >> please check news in the SUGAWARADAISUKE website.


http://sugawaradaisuke.com/
http://twitter.com/sugawaradaisuke

Architecture Space / 建築, Emergency Support / 災害支援, Event Lecture / イベント, News / 新着情報, Publication Media / 出版・プレス, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 11 30, 2011 0:07 | TrackBack (0)

Publication in the world / 世界中で作品が紹介

"CELL" and "Nico Nico" are published by more than 20 leading international medias.
20以上の世界中のメディアで"CELL"と"ニコニコショップ"が紹介されています

■Main Media List / 主なメディア
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-FRAME Magazine_Issue82(FRAME) / NETHERLANDS
-MD_Oct.2011 (BISMAR Media Group ) / BULGARIA
-Building Indonesia Magazine_Smart Design for Limited Spaces(BIM)
/ INDONESIA
-INTERIORS_Issue298(INTERIORS) / KOREA
-DECO JOURNAL(DECO JOURNAL) / KOREA
-Dezeen Web magazine(Dezeen Limited) / United Kingdom
-Archi daily Web magazine(Archi daily) / Chili
-ABOUTBLANK web magazine(ABOUTBLANK) / PORTUGAL
-arqa.com Web magazine ( web magazine) /SPAIN
-Architizer Web magazine(Architizer) / USA
-Arquitectura y Diseno web magazine(Arquitectura y Diseno) / SPAINL
-Archplatforma Web magazine ( web magazine) /SPAIN
-----------------------------------------------------------------------------

Thank you for your appriciation.
日々ご指導いただける皆様のおかげです。
今後も仕事を通じ、世の中に美しい関係拡げていきたいと思います。


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http://twitter.com/sugawaradaisuke

Architecture Space / 建築, News / 新着情報, Publication Media / 出版・プレス, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 11 15, 2011 14:12 | TrackBack (0)

復興のデザイン – spiralの講演を終え / JP only

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昨日(2011年8月28日)の表参道スパイラルでの講演会では
拙い語り口ながら、数多くの方々が感想や質問をくださった。
本当にありがたいことです。

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計画の内容と合わせてお伝えしたかった事が主に二つあった。
・復興に求められているのは「繋がりのデザイン」である。
・建築家の「本当の職能」について。

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■復興に求められているのは「繋がりのデザイン」である。

僕らが進め、入居が始まった陸前高田の木造応急仮設住宅は、
住田町+住田住宅産業開発の「木造仮設住宅ユニット」がその中心である。
このユニットは地元住田町の技術と想いの結晶である。
「東京から来た建築家」が行ったことは、適切なインフラの取捨選択と
各住居の配置計画である。
ささやかなこの「配置計画」こそ、最適で最大のデザインだと思っている。

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今回の最終形として完成したこの仮設住宅地。
それは新築の集合体で有るのに、むかしからそこにあるような
集落の様な風景を持っている。
その集落「らしさ」は見た目でだけでなく、住人間に生まれるコミュニティーまでも
そうなるような「建ち方」のルールを埋め込んでいる。

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被災地も含め、地方には素晴らしい資源、人・もの・ことがあふれている。
それを外部の視点で評価し、再配置し、一体化する。
大がかりな何かを外から持ち込むのではなく、
客観的な視点で地方資源を「繋ぐデザイン」。
それがいま復興に求められているデザインだと思う。

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■建築家の「本当の職能」について。
「建築家」が関わると、デザイン性について語られがちですが、
本計画では、ハード(建築や家具など)を通じ、ソフト(人々や物の関係)を
構築することを目指しました。

この大きな震災を前に、多くの建築家たちは外で呆然としている人が多い。
それは、建築家達の真面目さが、逆に手を止めてしまうこともある。
一方で、社会が求める「社会性」とはかけ離れた場所で
「奇をてらった建築」を作り続けてきたことにも大きな原因がある。

本計画は今の「建築家」という肩書きにしては派手さに欠け、
関わり方も「横から目線」の地味なものです。
しかし、今回の様な「繋ぐデザイン」が多くの建築家が参加できるし
長期に及ぶ復興支援には必要なデザインだと思う。

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紀元前一世紀に、ローマの建築家ヴィトルーヴィウスが
名著「建築書」を書いています。
その頃、建築家は「建物」だけでなく土木、機械など
身の回りにあるものを与条件の必要に応じてデザインしていました。
「真新しいものを創造する」事も大事ですが、
与条件を的確に読み取り、デザインのスタイルだけでなく、その対象までも変化させる。
それが建築家やアートディレクターの本当の職能であると再認識させられました。


■プロジェクトデーター■■■■■■■■■■■
名称:陸前高田市の仮設住宅
場所:日本岩手県陸前高田市
戸数:60件
木造仮設ユニット開発:岩手県住田町+住田住宅産業株式会社
施工:住田住宅産業株式会社
マスタープラン:菅原大輔/SUGAWARADAISUKE + 原田勝之/ ARCHITECT LOUNGE
写真:太田拓実


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Architecture Space / 建築, Emergency Support / 災害支援, Urbanism_City / 都市, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 8 29, 2011 16:16 | TrackBack (0)

仮設住宅地について講演 @ スパイラル / Lecture about Refuge Temporary Housing

2011年8月28日(日)に表参道スパイラルで
講演を行わせていただきます。
SUGAWARADAISUKE is a guest speaker at Spiral, Omotesando, 28th August 2011.


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坂本龍一氏などが発起人のmore treesが東日本大震災を支援するLIFE311。
8月27日、28日の2日間、その関連イベントとしてスパイラルガーデンでの
チャリティ販売「LIFE311 The Charity」が開催されます。
More trees organize a charity event, “LIFE311 the Charity”at Spiral garden 27th-28th August 24, 2011.


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その関連トークイベントとして、
more treesの水谷氏と菅原が仮設住宅について講演させていただきます。
原田勝之さんと御手伝いした、住田住宅産業様の
陸前高田市仮設住宅地について御話しさせていただきます。
拙い語り口になるかとは思いますが、全力で話しますので
ご興味ある方、是非いらしていただければ幸いです。
宜しくお願い致します。
Daisuke Sugawara is giving a lecture about a temporary refugee housing at Rikuzentakata, an architectural support project for local housing marker SUMITA-JYUTAKU-SANGYO.


詳細・申し込み/detail >>http://www.more-trees.org/news/life311-the-charity.html


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Architecture Space / 建築, Emergency Support / 災害支援, Event Lecture / イベント, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 8 24, 2011 21:01 | TrackBack (0)

NicoNico Shop : 出版・プレス/Publication Media

MGZ-archdaily.png国際的な有力建築サイト:archidailyに「ニコニコショップ」が記載されています。
“NicoNico Shop” is published by archidaily, one of the most popular architectural website.


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Architecture Space / 建築, Publication Media / 出版・プレス, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 6 22, 2011 14:15 | TrackBack (0)

JCD Design Award 2011 Silver Award / JCDデザインアワード2011銀賞 

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SUGAWARADAISUKE earn JCD Design Award 2011 Silver Award by One of my latest projects “CELL” .

JCDデザインアワード2011銀賞を、最新作CELLで頂きました。
関係各社の皆様、今までご指導ご声援いただいた方々のお陰です。
ありがとうございました、

Detail info about CELL /  作品の詳しい情報は
>>> "WORKS" on this website.


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Architecture Space / 建築, News / 新着情報, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 6 18, 2011 18:57 | TrackBack (0)

Speaker at “GS24” about temporary housing / “GS24” で仮設住宅

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I will be one of lectures at “GS24”, a 24 h all-night talking event about Groundscape between different professions,
異分野異世代が、24時間「景観」について語らうイベント“GS24
菅原がスピーカーを務めます。


Daisuke Sugawara from SUGAWARADAISUKE will present an on-going project “master plan for temporary housing at Rikuzentakata” with Mr. Shinichi Mizutani from “more trees”.
一コマ:T(ree)で、more trees の水谷伸一さんを迎え
[木造仮設住宅は日本をデザインする]というテーマでトークイベントを行います。


This is a project by Sumita-Jyuutaku-sangyo, supported by Daisuke and Mr. Masayuki Harada.
菅原が原田勝之氏と御手伝いした、住田住宅産業さんの
「木造仮設住宅マスタープラン」についても御話しする予定です。


GS24----------------------
Location : Homeikan, Hongo, Bunkyo, Tokyo http://www.homeikan.com/
Date : July 01, 2011 04:00 pm – July 02, 2011 04:00 pm
my term is 11am 02dn July.
Fee : 500 yen
----------------------
場所:東京文京区本郷 「鳳明館」http://www.homeikan.com/
日時:2011年7月01日16:00 – 02日16:00
   ※菅原のコマは02日11時より入場:GS会員および学生 : 無料一般 : 500円

Detail Info / 詳しくは>>
http://www.groundscape.jp/gs24/

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Architecture Space / 建築, Emergency Support / 災害支援, Event Lecture / イベント, Urbanism_City / 都市 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 6 16, 2011 20:41 | TrackBack (0)

Refuge Temporary House & Lecture /仮設住宅マスタープランと報告会

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We support a refuge temporary house in Iwate prefecture
現在、住田住宅産業さんが進める陸前高田の仮設住宅で
マスタープランの作成に関わっています。


住田住宅産業さんは、坂本龍一氏などが支援するLIFE311と
連動した住宅メーカーさんです。
SUMITA-JYUTAKU-SANGYO is a local house maker certificated by FCS.
The company is the main member of LIFE311 arranged by more trees.


SUGAWARADAISUKEの菅原Architect Loungeの原田勝之氏が 共同で
本計画を進めております。
SUGAWARADAISUKE and Architect Lounge support their refuge temporary house with a master plan.


[Lecture/震災活動報告会]
SUGAWARADAISUKE is a guest speaker in an Earthquake talk at Nihon University, 8th Jun 2011.
Further info for lecture >> shinya satoh studio at Nihon university

また、日本大学建築学科震災報告会にパネラーとして参加し、
本プロジェクトを発表いたします。
ご興味のある方は是非足をお運びください。
--------------------------
日時:6月8日(水)19:00?21:30
会場:日本大学理工学部駿河台キャンパス5号館5階スライド室1
入場:無料

19:00~19:20 八藤後猛先生(建築学科准教授)
被災地における調査について
19:20~19:40 今井隼星さん(横河研4年)
ボランティアで生まれる人のつながり
19:40?20:10 菅原大輔さん(SUGAWARADAISUKE主宰、若色研OB)
被災地における仮設住宅マスタープランの設計
20:10?20:20 休憩
20:20?20:40 島矢愛子さん(大川研M1)
被災地でのボランティアについて
20:40?21:00 mosaki(大西正紀さん、高宮研OB+田中元子さん)
せんだいメディアテークでのけんちく体操
21:00?21:30 ディスカッション、質疑応答


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Architecture Space / 建築, Emergency Support / 災害支援, Event Lecture / イベント, Urbanism_City / 都市, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 6 6, 2011 17:38 | TrackBack (0)

延期した内覧会を開催/ Preveiw Event

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先日竣工し、内覧会を延期した[CRYSTAL]。
2週間遅れの3月27日(日)に開催いたします。

既に御契約頂いている部屋も有りますが
御施主様はじめ、関係各社様の御協力で
このような機会を頂くことができました。

内覧頂ける数少ない機会となります。
御都合よろしければお立ち寄りください。

詳しくはSUGAWARADAISUKEのホームページ「新着情報」より
PDFのダウンロードをお願い申し上げます。

また、地震の影響も考えられますので、
当日の情報はSUGAWARADAISUKEのtwitter
ご確認願えれば幸いです。

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Preview Event is scheduled 27th, March, 2011.
Detail info >> please download PDF at SUGAWARADAISUKE (JP only)


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Architecture Space / 建築, News / 新着情報, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 3 22, 2011 11:53 | TrackBack (0)

東日本大震災への想い / Japanese Only

2011年3月11日東日本大震災が襲いました。
その数日後である3月14日に最新作の撮影を予定通り行いました。

設計者である菅原大輔と写真家である太田拓実さんで
急遽下記写真を撮影いたしました。

東日本大震災の被災者の方々、日本の方々に
向けての小さなメッセージです。

影響力は小さいかもしれませんが、
今後も建築家としてできることを
一つひとつ積み重ねて参ります。

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写真家として目の前の被写体に全力を尽くしつつ
遠くの被災地に哀悼と応援の気持ちを表したいと思います。
太田拓実

被災地が復興し、一日も早く「美しい風景」で満たされるよう
生業である建築を全うしていきます.
菅原大輔
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Architecture Space / 建築, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 3 17, 2011 20:27 | TrackBack (0)

内覧会延期いたします。

2011年3月13日に予定していた内覧会ですが
「東北地方太平洋沖地震」の影響で
無期限延期させていただきます。

関係各位の皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、
何卒宜しくお願い致します。

Architecture Space / 建築, News / 新着情報, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 3 12, 2011 10:59 | TrackBack (0)

内覧会:Multiple Simpleness [CRYSTAL] / 賃貸ワンルームリノベーション

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Multiple Simpleness [CRYSTAL] の内覧会を行います。
小さなワンルームなので、お近くにお立ち寄りの際は足をお運びください。

詳しくはSUGAWARADAISUKEのホームページ「新着情報」より
PDFをダウンロードしてください。

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Architecture Space / 建築, News / 新着情報, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 3 9, 2011 13:53 | TrackBack (0)

Multiple_Simpleness "CRYSTAL" / 賃貸ワンルームリノベーション

Multiple Simpleness [CRYSTAL] is coming soon by SUGAWARADAISKE.
SUGAWARADAISKEが設計・監理してまいりました[CRYSTAL]が近日竣工し、内覧会を行います。


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[CRYSTAL] は風呂-トイレ‐キッチンなどの「設備コア」、行為が行われる「余白の空間」とそれを結び付ける「中間領域」の三つで構成されています。
[CRYSTAL] is composed of 3 parts ,”Functional Equipment Core”, “Free Space” and “ and ” Intermediate Space”.


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脱衣室や倉庫となる「中間領域」の形は、「余白の空間」で想定される立った視点/座り寝ころんだ視点から、最大のボリュームが取れるように計画されています。
The form of ” Intermediate Space” is designed to make the maximum space perception by standing and sitting down points of vews


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The preview is scheduled in this weekend.
今週末、内覧会の予定です。 またお知らせいたします。


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Architecture Space / 建築, News / 新着情報, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 3 7, 2011 14:44 | TrackBack (0)

Nico Nico Shop / ニコニコショップ 竣工

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The world leading movie broadcast station [NicoNico Doga].
Their Physical contact shop [Nico Nico Shop] was completed with SUGAWARADAISUKE design.
The space has interesting experience with extending a physical specie perception and functions
....................................................................................... like ALICE in wonderland.
[Various lighting boxes] on the deformed grid and [multiple functional objects] like ORIGAMI
lead to the special body experience with reflection and scale operation.

インターネットメディアを牽引する【ニコニコ動画】。
その体感空間であるニコニコショップが菅原大輔設計で竣工いたしました。

ニコニコショップは、「身体的なスケール感覚」と「機能的空間使用」を拡張する
不思議の国の様な空間です。
変形グリット状に配置されたライトボックス郡と
折り紙の様に繊細に浮かび上がる什器郡の
「反射」×「寸法設定」によって、これを実現しています。

詳しくは近日中にアップいたします。/ Detail info coming soon...........
>>> http://sugawaradaisuke.com/


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Architecture Space / 建築, Art Direction / アートディレクション, News / 新着情報, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 1 19, 2011 12:08 | TrackBack (0)

根津で考えた「デザインの本質て?」

根津美術館に行ってきました。

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東武や南海などの鉄道事業で有名な
「鉄道王」根津嘉一郎氏よって設立された美術館です。
3年半かけた新築・改修工事が終了し、
2009年10月7日にリニューアルオープンしました。
設計は日本を代表する建築家・隈研吾氏。

切り妻屋根の新館と緑深い庭園が、都心である事を忘れさせる
非常に落ち着いた雰囲気を作っています。

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建築家としては、考えるべき深いテーマを渡されました。
それは、嘘っぽいとされる「表面的で装飾的な空間の作り方」が
実は「本質的な作り方なのかもしれない」ということ。
根津美術館の空間を作っているのは、構造や断熱の為に作られた「床・壁・天井面」に、
貼りつけられた石、竹、鉄板。

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建築設計者は、構造や設備、内部機能という様々な要素を一体化させ、
要素を最小限にし、結果として、空間が装飾的になることを目指す傾向にあります。
つまり、根津美術館の様な、「単なる装飾」による作り方は良しとされない。

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しかし、実感として、「装飾的な作り方」による根津美術館の空間は非常に美しかった。
当然、広く緑深い庭園や、空間自体のカタチやスケール感も大きく影響していますが
空間の魅力を作っているは、明らかに装飾的に貼りつけられた空間の表面です。

それは、結局「人間はモノの表面しか見ることができない」と
いうことを証明しているようでもあります。
つまり、「表面に現れた本質」だけが、もの・ことの本質なのかもしれません。

それは建築家に限らず、もの・ことにかたちを与える全てのデザイナーにとって、
緊張と責任とその可能性を示すテーマとも言えそうです。

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Architecture Space / 建築 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 12 7, 2009 20:22 | TrackBack (0)

田園住宅の作り方―海外編(オーストラリア)-その2

田園住宅のためのオーストラリア現場調査から帰ってきました。
パートナーのNathanael Dorentと共に東京事務所でスタディーを進めています。

現在は、現地調査を元に20案程度の検討を進めています。

検討のよりどころとなるのは下記。
・敷地の状況
・施主の要望
・敷地周辺の建物・建設方法
など。

海外の仕事では特に、敷地周辺の建物はその敷地が持つ状況を知るのに
重要な役割を果たします。
というのも、その地域の生活や気候を反映して建てられているので
一時的が現場調査でしか滞在できない僕たちに、その敷地のことを教えてくれます。

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周辺の住宅が持つ特徴で興味深いのはテラス。
建物を一周囲うように、もしくは太陽が昇る北側に必ずテラスを持つ。
自然の中で本を読んだり、お茶をするのが個々の生活スタイルのようです。
これは案検討の中で中心的な役割を果たす気がします。
また、牧場内の田園住宅なので、ランドスケープとの関係も重要となっています。

数日でコンセプト段階の終了です。

<現段階>
★コンセプトデザイン
・基本設計
・実施設計
・現場監理

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Architecture Space / 建築, My Partners, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事, 海外 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 8 19, 2009 15:01 | TrackBack (0)

田園住宅の作り方―海外編(オーストラリア)-その1

フランス人のパートナーNathanael Dorentと田園住宅を計画するため,
にオーストラリアに来ています。

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先ずはお施主さんの要望整理,敷地や建設条件調査.

要望整理はインタビューで直に終わったのですが、
敷地の把握が結構大変でした。
というのも非常に広大なので、長時間歩きまわらないと全体像がつかめない。
正直、体力をかなり消耗しましたが、健康のためにはよかった。

□要望
御母屋=新築、別館=改修、林業従事者のための家=改修。

□敷地条件など
広大な熱帯雨林に囲まれた敷地
牧場と林業を行う予定
近い将来は自然の中のペンション群も計画予定
夜は星と月がきれいなので、何とかこれを生かしたい。
気候がかなりいいので、設備などラフでも問題ない。

□建設条件
オーストラリアの建設費は日本の半分くらい
技術や仕上がりは1/3くらい

写真が敷地の航空写真、建物の配置、そして風景です。

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<現段階>
★コンセプトデザイン
・基本設計
・実施設計
・現場監理

Architecture Space / 建築, My Partners, News / 新着情報, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事, 海外 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 8 7, 2009 22:11 | TrackBack (0)

カンポ・バエザの建築 展覧会レポート

「ギャラリー間」 スペインの建築家、カンポ・バエザさんの展覧会が行われます。
菅原大輔が「ギャラリー間」web内、本展覧会レポートを行います。
アップは7月前半の予定です。

講演会も開催されますが、応募を締め切っています。

■名前 :カンポ・バエザの建築
■日時 :2009年6月25日-8月29日
■場所 :ギャラリー間
〒107-0062 東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F
■料金:無料

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Architecture Space / 建築, Event Lecture / イベント, Urbanism_City / 都市, 海外 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 6 15, 2009 20:46 | TrackBack (0)

JCDデザインアワード 2009 BEST100入選

日本商環境設計家協会が主催する「JCDデザインアワード2009」 で

菅原大輔地形的空間「FLOW」 / 金森製袋紙工本社が一次審査を通過し
「JCDデザインアワード2009 BEST100」に選べれています。

下記の要領で公開二次審査が行われ、各賞が決定します。

日時:2009年6月20日(土) 13:00~17:00(予定)
費用:無料
会場:東京デザインセンターB2F ガレリアホール
   東京都品川区東五反田5-25-19
TEL:03-3445-1121

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Architecture Space / 建築, News / 新着情報, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 6 2, 2009 17:32 | TrackBack (0)

耕作放棄地再生にアドバイザーとして参加します。

菅原大輔がアドバイザーとして参加させていただきます。

2009年5月31日松山大学東京オフィスにて
「REFARM 耕作放棄地再生プロジェクトイン上島町」の
公開会議が開催されます。
http://www.e-supporters.co.jp/pdf/refarm_shikoku.pdf

25個の離島だけでできた、美しい町「上島町」。
しかし、耕作放棄地が町の半分の面積を占める現実もあります。
そこで愛媛サポーターズさん中心に
4人の専門家がその再生に立ち上がりました。

菅原大輔がアドバイザーとして参加します。
デザインで「耕作放棄地再生」をサポートできないかと考えています。
社会の中で「デザインができること」が試されます。
さすがに身が引き締まります。

http://sugawaradaisuke.com/

Architecture Space / 建築, Art Direction / アートディレクション, Event Lecture / イベント | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 5 29, 2009 18:15 | TrackBack (0)

パリで菅原大輔の担当作品が竣工しました。

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Jakob+Macfarlaneで菅原大輔が初担当して勝利したLes Docks Parisが竣工しています。
セーヌ川沿いで水運が発達していたころの倉庫を、ファッションスクールなどを含めた複合施設にしたものです。
その作品はArchitecture Review 2009 2月号に記載されています。

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写真撮影(hiroko Yajima)

Architecture Space / 建築, News / 新着情報, Paris / パリ, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 3 29, 2009 21:51 | TrackBack (0)

Body LandSpaceがフランスで恒久展示に

菅原大輔と前田茂樹氏がArchilab2006のインスタレーションとして
共同で設計を行ったBody LandSpace
フランス、オルレアン市にある市立公園「Parc Floral de la Source」で
恒久展示物となることが決まりました。

本年に移設の予定です。
詳細が分かり次第またお知らせいたします。

Architecture Space / 建築, Event Lecture / イベント, News / 新着情報, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 3 9, 2009 13:02 | TrackBack (0)

講演会詳細が決まりました。

講演会のタイトル、ゲスト、形式が下記のように決まりました。

○○○建築サロンVol.52○○○

○タイトル:建築のvalue innovation

○ゲスト:佐藤 義孝 (Mccann Erickson)

○形式
・菅原のプレゼンテーション -社会の中でこれから「建築」ができること
・佐藤氏のプレゼンテーション -「建築家」にとってのバリューイノベーション
・ディスカッション

ご都合がつく方は出 欠:2/26(木)までに下記にご連絡ください。
原田宛(hisa.harada@mac.com

Architecture Space / 建築, Art Direction / アートディレクション, Event Lecture / イベント, News / 新着情報, Urbanism_City / 都市, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 2 23, 2009 14:15 | TrackBack (0)

菅原大輔が講演会を行わせていただきます。

建築をと社会を結ぶ多角的勉強会「建築サロン」様が行っている定期的なイベント
建築サロンVol.52 にて、菅原大輔が講演をさせていただきます。
私的な勉強会なので会場費として1000円いただきますが、
お時間とご興味がある方は是非、足をお運びください。

○○○建築サロンVol.52 http://kenchikusalon.seesaa.net/○○○

菅原大輔氏(アートディレクター・建築家)プレゼンテーション&ディスカッション

日 時:2009年2月28日(土) 18:30-21:00
会 場:京橋プラザ区民館1号室
      (最寄駅:東京メトロ京橋駅or銀座一丁目駅or都営地下鉄浅草線宝町駅)

  第一部:プレゼンテーション&ディスカッション
  菅原大輔氏(SUGAWARADAISUKE主宰)
  ゲスト:(現在調整中)
  モデレーター:細野素世(建築サロン)
  会 費:1000円

  第二部:懇親会 21:00-
        会 場:未定(改めてお知らせいたします)

出 欠:2/26(木)までに
メーリングリスト宛か原田宛(hisa.harada@mac.com)ご連絡ください。


Help URL : http://help.yahoo.co.jp/help/jp/groups/
Group URL : http://groups.yahoo.co.jp/group/workshop-chaf/
Group Owner: mailto:workshop-chaf-owner@yahoogroups.jp

Architecture Space / 建築, Art Direction / アートディレクション, Event Lecture / イベント, News / 新着情報, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 2 16, 2009 11:22 | TrackBack (0)

表現の違い=価値基準の違い

マーケティングや建築の提案書、デザインやファッション雑誌などの情報媒体の表現で、仏蘭西や英吉利などの欧州と日本との間に明らかな違いを感じる。

欧州では、美しい大判のイメージや図表がダイナミックに媒体を埋め尽くす。言葉による解説は見出しや数行程度の説明文に留まっている。 一方、日本もしくは亜細亜では、多くの小さなイメージや図表が所狭しと並べられ、引出線などと共に多くの説明書きが並ぶ。大型書店で日系出版社と欧州出版社の女性誌を見比べるとこの違いが一目瞭然だろう。

欧州の人はイメージや雰囲気を伝える視覚的情報を欲し、評価し、「もの・こと」を選択する手がかりとする。そのイメージが表現している雰囲気や空気感が全てであり、そこに全ての情報が詰まっている。イメージで伝達される以上の詳細情報は必要としない。いや、ここで伝達されない情報は存在しないといえるのかもしれない。それは正に「世界観の伝達」と言えるだろう。

日本の人は定量的な情報を欲し、評価し、選択材料とする。イメージや図版は詳細情報を追っていくための「目次」のようなものであって、そこで情報を濃密に伝達する必要性を感じていない。例えば日系ファッション誌の中で、モデルは横に添えられる値段や機能、性能などの情報を整理整頓するためにだけに振舞っている。主役はあくまでも文字情報であり、イメージ(この場合は写真)がソコソコでも、横に情報が追加されれば伝達される。ここでやり取りされるのは世界観などではない。正に「定量的な情報」である。

このような情報伝達手段の違いは「もの・こと」に対する評価の仕方の違いであり、両者の「もの・こと」のあり方にしっかりとこびりついている。

情報伝達とは一見関係のない河川整備をセーヌ川と墨田川であえて語ってみたい。
セーヌの川岸には手摺が無く、歩行者道は今にも水面に沈んでしまいそうな高さにある。それは明らかに危険である一方で、「親水性の重要性」や「自由で魅力的な空間の意味」を価値観としていることが情報として見えている。一方、墨田川沿いはどうだろう。高いコンクリートの堤防によって私たちの生活からは引き離され、最近出来始めた親水公園もしっかりとした手すりが付いている。そこには「親水性より水事故の防止」「~メートル水位が上がっても決壊しない」などの○×で判断できる定量的な価値観が伝わってきて「川と共にある都市」という世界観は全くない。

欧州をはじめ西欧諸国は彼らの「世界観」=「価値基準」を輸出し、これを貨幣のように世界中に流通させ続けてきた。この流通が彼らの「西欧世界」を目指す人々を増やし、西欧化させてきた。その中で彼らのイメージ至上主義的表現方法も強化されていったのだろうと思う。

一方で、現在日本の「定量的な情報」の表現はあまり優れているとは言えない。しかし、日本の伝統的な抽象画と文字が併記された色濃い表現と見せかけは似ていなくもない。でもその両者の決定的な違いは、絵と文字の抽象さが計算されつくしているか否かだろう。伝統的な表現は個々の「情報の受け手」に解釈の自由を与え、同時に受けての知識を求めた。

色々な意味で「西欧絶対世界」が崩れ、次の何かが探されている。そんな今だからこそ、現代日本人の表現方法を伝統的手法と合わせて再考し、これを同時に「価値基準」の解体と再構築につなげることが出来ればと思う。 それが、日本から世界に「もの・こと」を発信していくことになると信じているから。

「とはいっても、時間のかかる作業」だと改めて痛感する。 

Architecture Space / 建築, Paris / パリ, Urbanism_City / 都市, | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 1 27, 2009 13:34 | TrackBack (0)

CASA BRUTAS 2月号(1月10日発売)に記載されます。

デザインと社会を繋ぐ雑誌「CASA BRUTAS」
明日、1月10日発売される「CASA BRUTAS」2月号に
地形的空間[FLOW]と合せてSUGAWARADAISUKEの設計の考え方が
記載されます。

コンビニや小さな書店でも見つかる有名誌ですので
よろしければご覧ください。


地形的空間[FLOW]の詳細はSUGAWARADAISUKEのwebsite内
「主な仕事」からご覧ください。

Architecture Space / 建築, Event Lecture / イベント, News / 新着情報, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事, | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 1 9, 2009 13:40 | TrackBack (0)

オープンハウス・地形的空間「FLOW」

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オープンハウス・地形的空間「FLOW」を行います。
上記案内状をプリントの上、お出かけいただければ幸いです。

SUGAWARADAISUKEが設計・監理してまいりました地形的空間「Flow」が竣工いたしました。
間仕切り=棚=カウンター=ベンチ=目隠し・・・物体が様々に機能を変化させながら内部空間を流れていき、執務/打合せ/接客/待合いスペースといた各空間を分節/結合しながら事務室機能を成立させています。 物体は歪められたジオメトリー上に形成されており、観察者の移動によって内部空間の印象は刻々と変化していきます。 それは散策の時に変化していく平原や山々のような地形のようでもあり、内部空間の地形化といえるかもしれません。
また、「Flow」は金森製袋紙工株式会社様へのアートディレクション業務の一つであり、一般的なイ「下町の町工場」のイメージを払拭し、「ブランド化」していく一つ目の大きな手続きでもある。

■ADで下請け町工場からの脱却
当社は下町浅草の町工場として50年間、技術の蓄積をしてまいりました。お客様のニーズが多様化する現在、「蓄積してきた技術の」提供を積極的に行い、どの様なデザインも確実に商品化する技術提案型加工ビジネスを展開しております。 これはお客様と一体的に商品開発を行う業態であり、同時に下請け構造からの脱却へと導くものであると考えます。 SUGAWARADAISUKE様に建築を含めたアートディレクション業務を行っていただくことで弊社CIを更新し、さらなるビジネスモデルの確信を行ってまいりたいと思います。
金森製袋紙工株式会社 代表取締役 平島庄二郎

物件名:FLOW (金森製袋紙工株式会社耐震補強コンサルタント
       +事務所部分内装復旧工事)
日時:2008年12月07日(日) 13:00-18:00
場所:東京都台東区今戸2丁目3-7 2階事務室
交通:東京メトロ銀座線・都営浅草線:浅草駅より徒歩13分
   都営バスバス東42甲:今戸バス停より徒歩3分
駐車場がありませんので車でのご来場はお控えください。

主要用途:事務所(内装工事部分)、工場・倉庫・住居(耐震補強部分)
内装設計:SUGAWARADAISUKE/菅原大輔
内装施工:宗建築株式会社/大関秀明
内装工事面積:52.78㎡
設計期間:2008.08.01-09.20  施工期間:2008.10.17-11.28

Architecture Space / 建築, News / 新着情報, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 11 26, 2008 11:01 | TrackBack (0)

日本の精度

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現在進めている内装の仕事が着々と進んでいる。 その中で毎日驚くのが日本の大工仕事の精度の高さ。

僕は施工しやすい方法を選択し、仕上がりを良くしようと特に考えている方だと思う。 いくら図面上で理想を語っても、長期間の使用で空間の美しさや強さを維持できる作り方をしなければ意味がないからだ。

日本の大工仕事の精度とそれを支える誇りの高さを感じたのは施工方法の打ち合わせをしている時のことだった。

ある問題に当たったときのこと。「本当はAのようにしたいけど、Bの方が遊びが取れて施工が簡単。 見栄えは90%位落ちるけど汚い納まりだと意味のないところだからBにしましょう。」という僕に言った現場監督さんの一言が忘れられない。

「菅原さん、そんな心配はいりません。 日本の大工はそれぐらい難なくできます。 海外とは違います。」と。

職人さんや現場監督さんには海外で見聞きし体験してきた現場の話をしていた。 「設計者の意図を純粋に実現したいし、その能力が我々にはある! 海外の現場とは違います!!」という彼らの誇り高き叫びが聞こえた気がする。

難しくても、きれいな納まりを普段から積極的に提案してくれる彼。その技術や精神とのコラボレーションを通じ、日本の精度を最後まで楽しんでいきたいと思った。

Architecture Space / 建築, Dialy / 日常, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 11 10, 2008 13:05 | TrackBack (0)

展覧会 Border Lines

菅原のpartnerの一人である Nathanael Dorentが率いるSpace for Human Rightsが
展覧会「Border Lines」を開催しています。

会場: nous gallery  / 5 Blenheim Crescent, London W11 2EE

会期: 11th November – 17th November 2008

「Border Lines」は、アート、ダンス、演劇、建築、都市など様々なカテゴリーを超越した展示内容となっています。 Space for Human Rightsは人権に対する問題定義ではなく、様々な専門家よる具体的な解決策を提示していく団体です。 社会問題とデザインをつなぐ試みでもあります。

菅原は日本展のキュレーターを務めます。

Architecture Space / 建築, Art / 美術, Event Lecture / イベント, My Partners, News / 新着情報, Urbanism_City / 都市 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 11 4, 2008 10:20 | TrackBack (0)

日本の耐震補強

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現在、耐震補強コンサルタントとそれに付随する内装計画を行っている。
その仕事を通して「耐震補強の問題」が見えてきた。

現在の設計施工、監督体制、そして料金体系には問題がある。 せったく大金を払って耐震化しても地震がきたら建物はつぶれ、施主は行き場を失う。
その時になって初めて、建築・建設業界は責任を問われることとなるだろう。

その現状が定着しているのには大きく3つの原因が考えられる。

一つ目は、日本において既存建物を残していく「耐震補強」が新興産業である点。
二つ目は、設計者がもつ、欠陥物件の尻拭いに参加することへの恐怖心である。
三つ目は、設計施工一貫の業者が多いことで弊害。

■新興産業としての「耐震補強」
「スクラップアンドビルド」という言葉が一般に浸透しているように、建物は古くなったらぶっ壊して建て替えるのが日本の常識だった。 それが日本経済の原動力となってきた。 (日本経済と建物というと現在の金融危機との関係を思い浮かべる方もいらっしゃるだろうが、そのことは別の機会に。) しかし、日本における昨今の地震被害と環境問題などの観点から「脱スクラップアンドビルド」の流れが出てきた。

そこで急激に需要が増えたのが「耐震補強」という業態である。

以前から、青木茂さんのような建築家もいらっしゃったし、いくつかの象徴的な保存建築作品もあった。 しかし、現在のようなビルから個人住宅まで「日本列島耐震化運動」のような状況とは明らかに違っていた。
このような需要が激増したのは、1981年に改正された 建築基準法施行令(新耐震)の影響があるのではないだろうか。 例えば、戸建て見てみると、一般的に30年に一階建て替わるというデーターがある。旧耐震基準で建てられた建物が建て替えの時期を迎えたここ数年、「脱スクラップアンドビルド」の流れから新耐震基準に適合した補強を行い、内装を直すことで既存建築を再生しようという選択肢できた。 行政による「耐震化に対する各種補助金」もその選択肢を補強する形となった。
この選択肢が一般化したことでビジネスとしての「耐震補強」が確立した。 分野にかかわらず新興産業では粗悪な業者も急増し、大きな社会問題が起こるまでその成長は止まらない。それが今の耐震業界の現状だ。 工事自体は簡単なであるにも関わらず、技術的な難易度を謳い多額の請求をする業者、もしくは施工時に工事を適当に行いその部分の内装で早々に閉じてしまう業者など様々だ。
需要と供給のバランスが取れ、沙汰され、優良業者が残る時期はまだ遠いいようだ。

■設計者の恐怖心
耐震補強の設計はもともと「誰かの雑な仕事のしりぬぐい」の部分がある。
設計者にとっては法や技術的に最高のものを提供したとしても、自分が関わった建物に何かあった場合は本当に胸を痛めるものである。
耐震補強を行う物件は「物件自体の経年変化」というより「欠陥建築」(古い建物が現在の基準を満たしていないものもこれにはいる)である場合が多い。 

設計にかかわるものにとって新規の物件は全体から細部まで把握しながら設計が行える。 問題が起こりそうな部分も把握できているし、何かの場合の対応策も思い浮かべることができる。 しかし、「耐震補強」場合は勝手が全く違う。
他人が設計した物件に手を入れる「耐震補強」は、目隠しされた箱に手を入れて、「中身が何か当てる」ゲームのようなところがある。 物体か生物か、有害なのか無害なのか、動くのか動かないのか? 中身がどうなっているか分からなくても、勇気を持って手を箱に突っ込み、何がどうなっているか当てなければならないのだ。
「耐震性能が現状より少しでも向上するなら、責任を追及しないから設計して欲しい。」と説得されても、将来の倒壊に関与する可能性を増大させる。 そうしないためには新規設計よりも神経を使う。 自分の建物に責任感がある設計者であればより拒絶する傾向が強くなる。


■設計施工一貫の耐震業者
耐震業者は「設計も施工も責任を持って行います。」という業者が多い。
「新興産業」として、設計者施工者がお互いに探すのも面倒。 耐震を怖がる真面目な設計者はさておき「うちは設計施工一貫で保証します」と言ってしまえば、施主に安心感を与えられるとういう部分がある。
しかし、このような「設計‐施工」が分離していない状態では、設計者と施工者の専門家にとって建築主は簡単に言いくるめられるカモになってしまう可能性がある。
例えば、設計者に構造システムや、耐震性能向上を数値と共に説明されれば信じるしかないし、施工ミスがあっても工事が終わればその部分は判別ができない。 見積もかなり多めに取っておいて「エアコンも、窓もサービスしますよ」と言われれば、建築主は「ありがたいい業者だ」ということになる。それが一般の数倍の見積であっても。

また、確認申請を必要としない物件が多いいので、設計も施工もやり放題行うことができる。 現在、設計そ施工が適切に行われているか保証するのは、設計者と施工者の理性。 もしくは、経済活動の中での信用関係しかない。 瑕疵が問われるのは地震で建物が倒壊してから。 特に粗悪な業者ほど早く沙汰されていくから、「絶対保証します」といった業者がその時点で残っている可能性は少ない。
これは、設計施工一貫の恐ろしさである。


■コンサルタントととして介在すること
以上が仕事を通じて感じた「日本の耐震補強の問題」を引き起こしている原因だと考えられる。

今回のコンサルタント業務は「設計‐施工」一貫の耐震業者さんとの交渉に、「お客様の共同建築主」のようなかたちで関わらせていただいた。 

現状では「耐震」に関する設計者と施工者をそれぞれ見つけ出すのは本当に難しい。  だから、「耐震補強業態」で現在一般的な「設計施工一貫者」さんを、建築主が上手く使いこなすことが求められる。 

ならば、社会的な役割として建築主を手助けし、業者さんと対等に交渉できる環境をコンサルタントとして提供していきたいと思う。

Architecture Space / 建築, News / 新着情報, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 10 29, 2008 15:49 | TrackBack (0)

仏蘭西料理界の巨匠Alain Ducas

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仏蘭西料理界の巨匠Alain Ducasがプロデュースする
「Le Comptoir de Benoit」があり、オープニングパーティーに出席するために大阪へ。
彼と10分間話す機会を与えていただいた。
緊張しながらも、久しぶりの仏蘭西語を駆使して彼の巴里のレストランや建築のことについて話す。
思いのほか自分の頭に仏蘭西語が残っていて驚く。

場所は大阪駅近くにオープンしたサンケイビルによる複合ビルBreeze Breezeの最上階。
ビルの設計はChristoph Ingenhoven 氏
ガラスの使用を環境的な側面からとらえようとする建築家らしい。
透明感が変化するガラスの白いファサードが印象的。 ガラスと白の色使いが少しsannaっぽい。
自分も「ガラス使用と環境的配慮の融合」を狙っているいるが、
アウトプットがここまで自分と違うかと興味深く拝見する。

Alain Ducas氏の世界25店舗目、「Le Comptoir de Benoit」の料理と内装の印象はまたどこかで。

そのあと、駅前の富国生命ビル新築工事現場をみる。
このビルは仏蘭西人建築家dominique perraut氏の事務所に勤務する前田茂樹さんが担当している物件。 前田さんからは以前からCGを見せてもらっていたが、実際の敷地を訪れ実際の建ち方を想像してみる。

「Le Comptoir de Benoit」と富国生命ビル。
大阪駅前での仏蘭西人の動きは活発です。


Architecture Space / 建築, Event Lecture / イベント, Urbanism_City / 都市 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 10 9, 2008 10:48 | TrackBack (0)

Body LandSpace

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インドの最大のデザイン誌「DESIGN TODAY」の2008年3月号に菅原大輔前田茂樹氏によるBody LandSpaceが記載されました。

Architecture Space / 建築, Art / 美術, Event Lecture / イベント, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事, | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 6 9, 2008 12:32 | TrackBack (0)

卵が先か、ニワトリが先か? 建築士が先か?日本社会が先か?

先日、一級建築士事務所を開設した管理建築士もしくは経営者を対象とした
「新規開設建築士事務所講習会」と言うものに行ってきた。

大きな柱は
1.設計事務所(一級建築士)の義務
2.設計事務所の管理と運営
3.設計・監理に関する紛争
講習の内容は、「業務をする時は契約すること」、「設計監理時に建築主に対して説明責任を果たすこと」、「適切な報酬をとること」を建築士法や経済の話と絡めて行われた。

これらは起業する者だけではなく、資本主義社会の中で報酬を貰う労働者にとっても当たり前のことだと思っていた。しかし、話を聞いていると日本の建築界では当たり前ではないのが実情のようだ。特に下記の二点において非常に未成熟な建築士の慣習に、同じ建築士として落胆した。

まずは、今でも「馴れ合い」や「信用」だけで設計業務を始めてしまう建築士が多いと言う点。
僕ら建築士は建築行為に対して責任と義務がある。つまり、大きい額の「建物」を適切に設計・監理しなければならないし、問題が起これば責任を問われる立場にある。 だからこそ、業務遂行において権限と責任を明確化することは重要であるし、それに対する報酬を示した契約書なしに業務をはじめてしまう建築士の気持ちがまったく分からない。 これは値段や内容も知らせずに、相手に商品を売りつけるようなものだ。また、自分の適切な報酬を設定出来ない建築士にいたっては、自分自身だけでなく、僕も含めた全建築士の能力を過小評価する行為で、非常に悲しいと思う。 資本主義の中で自分の技術や思想に値段を付けられない建築士が何千万も何億もする設計に携わる資格があるのかと、その資質を疑ってしまう。 業務終了時に報酬が支払われず、裁判所で争うにいたる事案がかなりあるようだ。 

もう一つ気にかかったのがリスクの不足説明。
建築物が一つ建つには、建築主、意匠建築士、構造設計者、設備設計者、各施工者という複数の人々の参加が必要だ。 それは2次元の図面を媒体に全員がこの情報を共有し、3次元の構築物を作っていく。 関わる人々それぞれが把握している情報量も違うし、3次元の完成像を創造できる能力も異なる。そんな状況の中では、色々なものを決定していく際に、異なる解釈が生まれる。特に、専門家ではない施主との相互理解不足は最大の問題だ。 建築に関する訴訟の大半はこれが原因だそうだ。 特に、リスクの説明不足は施主の「こんなはずじゃなかった」という思いを生むが、建築士は「施主の言った通りにしただけ」という理解になるらしい。 決定した設計事項に対するリスクと効果を説明しないと計画内容が施主に伝わらないし、さらには「設計行為」自体をブラックボックス化し、社会から切りはなしてしまうことにもなる。 一般客を取り込むために、銀行もいやいやながら金融商品のリスクを説明している。 建築士も「設計行為」を社会に開くために、その美しき効果だけではなく、リスクも合わせて説明するべきだ。

二点は一般的に当たり前のことだが、日本の建築界では徹底されていない。 このような基礎的内容が既に経営を始めている「新規事務所開設者」に対して行われたことが非常に悲しいし、この悪状況を非常に象徴的に表していると思う。

経済行為の中で建築士は自信喪失し、それが日本人の建築設計に対する報酬の軽視を後押ししている部分もかなりある。 まずは、建設の専門/非専門家に関わらず、質の高い建物や都市が出来る土壌を日本の経済活動の中で作っていく必要があると思う。

フランスから日本に帰る飛行機で、旅行客の団体をよく見かけた。
決まって言う。
「パリは良かったわ。何で日本はこうならないのかしらね。帰りたくないわー。」
一人の建築士は心の中で問う。
「あなたはパリの市民以上に何かを失っても街造りに参加する覚悟はありますか?」

Architecture Space / 建築, Urbanism_City / 都市 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 3 8, 2008 23:16 | TrackBack (0)

artek pavilion at Milano

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菅原大輔が'Shigeru Ban Architects Europe'で担当していた''artek pavilion''が完成しています。
HPでは数枚の写真がご覧いただけます。

''aalto''デザインの家具を主に扱っている芬蘭のブランド''artek''のpavilionが''Salone Internazionale del Mobile Milano''に合わせて完成しました。
芬蘭の学生による建設されたこの建物は ''Salone''終了後、世界を旅する予定です。

Architecture Space / 建築, News / 新着情報, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 4 23, 2007 8:25 | TrackBack (0)

Body LandSpace

dezain.netが、菅原大輔前田茂樹氏によるBody LandSpaceDomus Webに記載されていることを知らせています。

Architecture Space / 建築, Event Lecture / イベント, News / 新着情報, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事, | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 2 14, 2007 6:08 | TrackBack (0)

2007です

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日記に足を止めていただいてる皆様、本年もよろしくお願いいたします。

昨年は公私の仕事にわたり非常に充実した一年となりました。
自分が関わった下記の仕事が竣工しています。

Body LandSpace / a+._daisuke_sugawara+shigeki_maeda
Louis Vuitton Icon Project Pavilion / Shigeru Ban Architects
Paper Tube Pavilion for Singapore Biennale 2006 / Shigeru Ban Architects
Restraunt George / Jakob+Macfarlane

Body LandSpaceは欧州展覧会 ARCHILAB 2007招待作品です。 展覧会終了にあわせ撤去されました。現在再設置に向けて動いています。
Louis Vuitton Icon Project PavilionはLouis Vuitton champs elyse店の展示スペースに設置されていた鞄「Papion」によって構成されたパビリオン。
こちらも 展覧会終了後撤去されました。2月に東京、その後NYのLVを巡回予定です。
Paper Tube Pavilion for Singapore Biennale 2006は、Singapore Biennale 2006のための紙管によるスペースフレーム構造。
Restaurant George はBar CounterとToiletの改修。退職前に3dsudyを終わらせたものがそのまま出来ていました。しかも勤務地のまん前です。

年明けにある仕事でARUPの金田充弘さんがParis事務所にいらっしゃいました。
打ち合わせの後に昼食を御一緒したのですが、色々なお話を伺うことが出来ました。
担当作品のこと、建築会のこと、LONDONや海外のお話。
現在の計画でお仕事を御一緒させていただくのは2回目なんですが、
本当に構造をデザイン化できる人です。それでいて非常に柔軟性のある思考。
組織に属する構造家でありがなら、これだけ名前が知れ渡っている理由が分かります。

頭を刺激された仕事始め。

Architecture Space / 建築, Event Lecture / イベント, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 1 8, 2007 8:51 | TrackBack (0)

+Publication ‘Body LandSpace’

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Installation ‘Body LandSpace’ had nice public response, and will be published in some Japanese and foreign magazines.
Notre installation ‘Body LandSpace’ a un retentissement, et puis ca va etre publie dans quellque magazine japonais et etrangers .
前田茂樹氏と共同設計したインスタレーション「Body LandSpace」は大きな反響を頂き、国内外のメディアに取り上げていただく予定です。

Shinkenchiku (JP); Dec 2006
CASA Brutus (JP); Jan 2007
Indoor green style (JP); Apr 2007
NIKKEI Architecture (JP); Jan 2007
ARHITECTURA (Romania); scheduled for

Architecture Space / 建築, Event Lecture / イベント, News / 新着情報, Works / SUGAWARADAISUKEの仕事, | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 1 8, 2007 8:45 | TrackBack (0)

Flickr@dezain_net-Body LandSpace

dezain net
「Archilab2006展」の写真が「Flickr」に記載されていることを知らせています。

菅原大輔が前田茂樹氏と共同設計した「Body LandSpace」が数枚記載されています。

Architecture Space / 建築, Event Lecture / イベント, News / 新着情報 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 12 17, 2006 21:41 | Comments (1) | TrackBack (0)

Archilab新建築記載

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雑誌新建築12月号にてArchilabのレポートがあります。
そこに菅原大輔が前田茂樹氏と共同設計した Body LandSpaceが記載されています。

Architecture Space / 建築, Event Lecture / イベント, News / 新着情報 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 12 11, 2006 10:51 | TrackBack (0)

L’hopital Copgnac-Jay

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伊東豊雄さん設計、L’hopital Copgnac-Jayのオープンハウスに行く。
現場管理を行っていた高塚さんに地下階、一階、基準階をご案内いただいた。

巴里15区の一区画がその敷地。 中庭形式でその区画を囲うのではなく、
周辺に点在する隣地の庭を繋ぐように庭が配置されている。 
機能はがん治療、終末医療、自閉症の子供用施設の三つ。
街路に平衡しながら庭を挟むように薄い建物が配置され、
中庭に面して3つのボリュームがそれにへばりつく。

高塚さんが「借景しあう庭」と呼ぶ、敷地内を貫通する庭と
隣地の庭が作る視覚的な「大きな都市の森」は非常に上手く融合されていた。
これが敷地周辺の環境向上にかなり役立っている。
このように隣地の要素を操作対象としてとり込む計画は、
東京のように常に変化するアジアの都市では短期間しか継続しない。
まさに、強く、安定した町並みを持つ巴里/欧州ならではの計画といえるだろう。
8年に一度、隣接する家が建て替わる東京の住宅地で同じことをやっている
日本人建築家は、環境変化による空間の破綻をどう受け止め、どのように責任を取るのであろうか。

内部を歩いた印象は非常に日本的な空間であるということ。 
原因は窓の設定高さ。立った姿勢の視点やや上部から膝の少し上までと
非常に低く窓が切ってあって、目線が自然と下方に向き、庭を眺めることになる。
それはつまり、庭=季節を内部空間の構成要素として取り込むことを意味する。
庭は連続的でありながらも様々な性格の庭が用意してあるので、
各病室もそれによって色付きが異なっているのだろうと想像した。

最近考えている「予想できる素晴しい空間」と「予想できない新しい空間」の違いを見た気がする。 
現在ある技術、システム、素材を再編集、再構成して作る空間は予想が出来る素晴しい空間を作る可能性を秘める。
 しかし、どうなるか分からない、何が起こるかわからないが、
検討し、実験して生み出される予想できない空間というのもある。
僕が求めるのは明らかに「新しい空間」だと再確認した見学会であった。

最後に、高塚さんありがとうございました。

Architecture Space / 建築, Event Lecture / イベント, News / 新着情報, Paris / パリ, Urbanism_City / 都市 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 10 29, 2006 8:01 | Comments (1) | TrackBack (0)

+ARCHILAB 2006 JAPON

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菅原大輔が前田茂樹氏と共に欧州の建築展覧会 ARCHILAB 2006に参加いたします。
模型や図面の展示ではなく、「庭園」という空間そのものを展示する貴重な機会をいただきました。
10月20日16時、フランス・オルレアンのARCHILABにおいてオープニングイベントが行われます。
ARCHILABはオルレアン市主導で行われる、フランス内外の建築家を紹介するイベントです。
 すべてのコレクションは買い上げられており、現ポンピドー・センターの建築・デザインのチーフキュレータ フレデリク・ミゲルーが文化省の参事官だったときにその収集が始められました。
第7回目のARCHILAB 2006は世界でも注目を集める日本人建築家の特集です。
上記HPのJardin Japonais / Japanese gardenをクリックしていただくと菅原大輔と前田茂樹の作品紹介が御覧頂けます。

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Body LandSpace = Landscape x Space + Japan
「フランス的」と「日本的」
フランス、オルレアン市で開催される代表的な建築の展覧会「ArchiLab 2006 Japon」のための作庭計画。ArchiLab敷地内にある南北二つに分けられた植込みとその周囲が本計画地である。与条件より白紙から構築するフランス庭園のような作り方も考えられたが、既存を発見し、ズラし、拡張していくような日本庭園の作り方を目指した。

「観賞」と「体感」
既存の南北の植込みは基壇として用意され、そこに植えられた花や樹木は個々のオブジェのように鑑賞の対象として置かれている。 計画地の地面、壁面にそれぞれ白砂、植栽を配すことで場を包み込む面群を一体化し空間化した。これによって観賞の対象としての植込みから、体感される空間=庭園の構築を目指した。

「運動」と「状態」
庭園に起伏をもった市松模様の鏡面群を新たに挿入する。鏡面群は白砂の上で水面のように空や植物を写しだす。遠景では日本庭園の岩のように固体として存在するが、体感者の運動によって地面を覆うように面になり、さらに写像をもって画素のように粒子化する。

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Architecture Space / 建築, Art / 美術, Event Lecture / イベント, News / 新着情報 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 10 21, 2006 9:40 | TrackBack (0)

頭の体操

土曜日
久しぶりに連絡を頂いて松田達さんとスイスで働く木村浩之さん
3人でラオス料理のお店へ。
お互いの自己紹介や近況報告をさせていただき、その後場所を替え一杯。
異国での建築教育制度、思考方法、設計プロセスからコルビジェに至るまで
海外経験者としての面白い考え方を伺うことが出来た。

久しぶりに「建築」を肴に飲んだという感じです。
意識して考えながら喋るといい頭の体操になって
脳の眠っていたどこかが活性化された感じ。
僕もそれに乗せられるように幾つかお話する。

僕が最近気になっていること、いや驚いたのは
日本人と仏蘭西(欧州ともいえる)人の単位感覚。
僕が前に勤務していた仏蘭西人建築家の設計事務所ではエスキスを「メートル」単位で考え始めた。
そして詳細設計等の時点でもCAD上の基本単位は変わらず「メートル」に設定されていた。
つまり、それ以下の長さは基本単位を「分割したもの」である。
今は仏蘭西にある日本人の事務所で働いているんだけど単位は全て「ミリ」で扱われる。

つまり、同じ50センチを思考するとき、
・基本単位を分割した「0.5メートル」と
・ 基本単位を500倍した「500ミリ」
と言う違いが出る。
これはスケール感覚や視覚的/触覚的建築の作り方にかなり作用している。
全ての部分に焦点が当たっている日本建築の緻密さは
こんなところから来ているのかもしれない。

比較の対象として「全体性が持つ魅力」を好む仏蘭西建築を取り上げると納得行くけど
欧州諸国でも詳細部分の納まりが美しいスイスも同じ「メートル」志向らしい。
「全ての部分に焦点が当たる」ことと「収まりが美しい」ことが
空間の質においては必ずしも同じことではないということかな。

あと、聞いていて印象に残っているのは木村さんの欧州人の「面の扱い方」。
欧州人は、空間に出てくる「細々した物」(電気、排気口、吐き出し口、消火設備など)を
面の要素として自覚的に捉え、面の中に整理整頓して置いているという。
確かに日本人の作品で「これほどこだわっているのに、ここにこれが出てくるのか?」
と言う感じがする。
つまり、日本人は空間を抽象的な存在として捉えていて、「空間」をデザインした後に
実際の使い方や法規的に必要なものが別の次元で「空間」に出てくる感じ。
そんなときはちぐはぐな空間になる。

僕が上記で「細々した物」と書いていること自体、そんな日本人的意識を表している。
完全には一般化できないけど非常に頷けるお話だった。

Architecture Space / 建築, Dialy / 日常, Paris / パリ | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 12 5, 2005 9:25 | TrackBack (0)

雪のエッフェル・耐震問題?

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今週は初雪が降った。
手袋をしていてもその上から氷の矢がプスプスと刺さるような、散歩しているだけで「かき氷」を食したあとの「キーン」とした感じが、暗雲と共に僕らの心に忍び込む冬。
とうとう薄暗く、芯から冷える「憂鬱な巴里」が始まった。

そんな中、建築技術者Effeleを思い浮かべながら、雪のEffeleを塔を眺めた写真。

日本では耐震設計に絡む「建築士の責任」などが話題になっているということはなんとなく耳に入っている。
これを聞いて一級建築士の一人として恥ずかしさと怒りを覚えた。また、建設途中の検査でなぜこの事態が食い止められなかったのか?と、行政監視機能に対しても疑問を覚えた。しかし、それと同時に、日本の建設・建築業界で起こるべくして起こった事件だとも思った。

その前提として、「建築家・建築士」と言う職能を簡単に説明してみる。
「建築」にまつわる業務(建築物の設計、管理)を行う「建築家」と、建築士法所定の国家試験によって行政機関(一級の場合は国土交通大臣)から建築家兼高等技術保持者として免状を交付される「建築士」。
どちらも「建築」と言う言葉が付くが、元々日本語に存在した言葉ではない。江戸末期に海外から概念と共に輸入された言葉「architecture」の訳語である。加えて、我々「建築家・建築士」は日本の建築の歴史から見れば、最近出来たばかりの職能である。それまでは「設計・施工」を行う、大工達が僕らの場所にいた。その職能は現在も日本特有の「ゼネコン」と言う形で継承されている。

日本では自称すればみんながなれる「建築家」含めると話がややこしくなる。ここでは国家資格保持者の「建築士」に限定して話を進めたい。
建築基準法では、施主(消費者)/建築士/施工者の独立した「三角関係」を奨励している。これは小学校で習った「三権分立」に近いあり方で、建築士と施工者の関係を分節し、専門知識のない施主(消費者)を保護するためのものである。
この状況を考慮すると、日本の現状では大きく3つの事柄が原因として挙げられる。

1番目に、最終的な消費者である「住人」が建築性能のチェック機能から排除されている点。「三角関係」でいう「施主」が、「住人」ではなく建築士・施工者と協力に結びついた「デベロッパー」となる。専門技術を持たない実際の「住人」は見えないブラックボックスの中で作成された「性能表示」を信じるしかない。「デベロッパー」は、住空間を綺麗にラッピングされた「商品」として扱う。これは住空間を他の品物と変わらない「商品」として、経済の中で流通させる重要な役目をはたしている。一方で、住人を建築が生成される場所から遠ざけ、知識のない消費者に変えてしまう危険性を持っている。

2番目に、住人の建築に対する無関心さがあると思う。
ヨーロッパでは都市や建築に対する一般層の意識が非常に高い。街づくりや空間に対して「あーだ、こーだ」と議論している。少なくとも思考する対象にはなっている。もともとの家が汚いということもあるが、パリだと新しい住居に引っ越した場合、まずBricolage(日曜大工)することが多い。それは空間を自分らしくカスタマイズしていく行為、つまり着慣れない洋服を自分の体にフィットさせていくような行為である。住空間を「ただの箱」とは考えず、「住人に特性を与えられた場所」とする精神がBricolageという行為に現れている。日本の場合、建売住宅産業が発展していることから分かるように、「ただの箱」としての住空間を求める消費者が多い。つまり、建築に関わる様々な手続きを排除して、一つの「完成された商品」としての住空間を手に入れたいという思考である。これは住空間に限らず、全ての(ことにフランスに比べ)サービスが成熟したことで、幼稚化していく日本人全体の気質に関わる問題だろう。

最後の3番目は、設計が「施工のおまけ」として扱われている点。
日本の建物の文化は歴史的に見て「大工制度」によって支えられてきた。棟梁の顔は見えていたし、施主は皇族であったり、貴族だったり、武士達だったりした。日本の伝統建築が素晴らしいのは、棟梁達が頑固で気高く、仕事に誇りを持ってた(?)からかもしれない。一方で手抜きが発覚したらその場で切り捨てられる緊張感もあっただろう。
その後、日本は様々な面で成長をとげ、国民全体の生活水準も向上した。これによって「建築」の目的は「権力」から「民衆」と民主化されていた。
その過程でも「設計・施工」が一体化した「大工制度」の部分は残った。それは一昔前、「設計施工一環業務」のゼネコンが使っていた「うちは設計料は取りません」という営業文句につながる。
実際は全ての技術的水準と空間としての質を保証するために、「建築士」が膨大な労力を使っているはずだ。しかし、見えない「設計」と言う過程は数値化された価値を獲得することなく、施工の裏帳簿からその業務代が支払われた。
つまり、一般的に義務も権利も、もみ消された存在だった。今回の事件は重大だ。しかし、実状として建築士としての「責任」だけを追及しても問題の解決は難しい。 もみ消された「義務=責任」を明確にしつつも、我々の「権利=設計業務の存在と価値」が一般的に認知されなければ、構造的な解決は図られないだろう。

他の理由としては、建築士の質のばらつきもあるだろう。これは激しいが定量的に見分けることは困難だ。ちょっと乱暴だけど、数値化された違いを言えば、近年登録された一級建築士は、合格率6%の超難関を突破している。一方で、高度経済成長期の時代はみんなが取れた「一級建築士」である。近年の合格者とそれ以前の免状保持者で、公的に何か区別化を図らなければならないとも思う。

設計競技の量、国民性、経済的問題、社会性の問題・・・・・。今回の事件を生んだ原因は様々だろう。
しかし、時間が経ったら重大な事件を忘れる、いつもの日本のようにはなって欲しくない。この事件を、状況を問題を改善する区切りとし、建築の制度や社会的責任を見直すだけでなく、「国民一人ひとりが建築行為にそのように関わるべきか?」「建築や都市がどうあるべきか?」を一般レベルで議論して欲しい。これが日本が建築先進国へ発展していく過程であって欲しいと願う。

Architecture Space / 建築, News / 新着情報, Paris / パリ | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 11 28, 2005 11:52 | TrackBack (0)

国際指名設計競技の結果

前に日記で、国際指名設計競技に参加したことを書きましたが
その結果がARCSPACE.COMに記載されています。
結果はすいぶん前に知っていたんだけれども、一般メディアに発表されたので
これで堂々と書けます。

ベルギーのKnokke-Heist市が施主。
Knokke-Heistにあるカジノを、近くに建つホテルと関連付けて改修するというも。
カジノは『Magritteの部屋』という、彼のフレスコ画がある部屋を内包している。
参加者は
STEVEN HOLL Architects(アメリカ合衆国)
ZAHA HADID Architects (イギリス)
Neutelings-Riedijk (オランダ王国)
Jakob+Mcfarlane(フランス共和国)

他の3社はEl Croquisで作品集が出るような、既に世界トップクラスの事務所。
その中で、うちはよくやったと思う。一方でJakob+Mcfarlaneの案では勝てないだろうと思ってもいた。

今回は得意の湾曲ボリュームに精神性が足りていなかった。
言い換えれば、形態遊戯に終始してしまったところがある。
いつも改修設計競技だと、既存のある要素を抽象化し、新築部分にそのリズムを導入するんだけれども、
今回は既存のカジノに対してあまり配慮されていない。

4案をざっくり分類すると、『塊型』のZAHA、JAK+MAK案 / 『タワー型』のHOLL、N+R案。
ARCSPACE.COMにあるように、結果は勝者STEVEN HOLL Architects。

敷地の眼前に広がる水平線。これに拮抗するように建つSTEVEN HOLLのタワー。
敷地周辺にある既存6,7階から、海へ抜ける眺望に削られるように形態が決められているらしい。
でも、これは修辞的な説明で少し胡散臭い。
タワーがこれだけ特殊な形態をしているなら、堂々とモニュメントとしての正当性を言ったほうが良いのに。
市だって、このタワーを『新しい観光地のシンボルになりうるもの』と捉え、選んでいるはず。
Tower/Porosity/既存の3つを、全く異なる「建築形態・表面群」で構成したのかは気になるところ。
例えば、既存のホテルとカジノをつなぐ導線的建築部分が、なぜ Porosityなのかとか。
もしかしたら『ノリ』だけかもしれないけど。

設計競技は結果的に負けてしまったけど、 こんな人たちと戦えて良い経験になった。
次はそんなに緊張せづに戦えそうだ。

個人的な話としては、週末、風邪でダウンしてます。

Architecture Space / 建築 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 9 19, 2005 5:05 | TrackBack (0)

北欧の報告-その2

Swedenの後Finlandへ。
主な目的はAlvar Aaltoを見ること。
通り過ぎるように見たものも含めると、4日間で10件強の建物を見た。
Aalto建築の特徴でもある『要素の分割』と『連続する縦線』。
Finlandを訪れてみて、彼の原風景であるFinlandの自然=白樺林の影響を改めて感じた。

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印象に残った建物を幾つか。
『Hlshinki工科大学のオーディトリアム』、『夏の家(実験住宅)』そして『Mairea邸』

■『Hlshinki工科大学のオーディトリアム』

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内部に入ってすぐ、空間『やわらかさ』が体に染み込んでくる。
それは白い空間に投影される『柔らかな陰影』と包み込むような『大きなスケール』によるものだろう。

連続した『湾曲トップライト』は、そのカーブによって、
空間の中にグラデーションのように融解していく影を作る。
大きなスケール感覚を作り出しているのは、『ルーバー』と『トップライト』の関係だろう。
構造体を這うように連続する『ルーバー』は、空間の中で定規の目盛と化し
空間の大きさを僕らに計測させる。
湾曲した『トップライト』は構造体上で、重なり合うように上方に伸び上がる。
重なり合うことで壁面の終点である窓枠を隠し、視線をその表面上で滑らせる。
つまり、境界のない空間、つまり『終わりのない空間』を作り上げている。

構成要素によって空間計測の可/不可を緻密に切り分けることで、
大きな羽根のような『やわらかくつつみこむ』空間把握を演出していた。

■『夏の家(実験住宅)』

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ここは何と言っても外部空間が素晴らしい。
『実験住宅』というサブタイトルのように、
半中庭の壁面・床面はレンガやタイルを始めとした素材の実験場となっている。

各面は様々な形態、大きさに分割され、各素材たちが、
様々な『操作』を伴って貼り付けられている。
『面分割』と分割された面内の『肌理の操作』は、
彼のライフワークである抽象絵画と共通点があるんじゃないかな。

(名作と呼ばれるものは少なからず)、彼の『建築形態』と『表面操作』は一体化している。
しかし、この住宅では『表面』は『形態』からはがされた状態で置かれている。
つまり、白いキャンバスの上で、様々なタッチが検討され、用意され、置かれる場所を待っている。
建築の諸条件に直面した時、Aaltoは多様なタッチをもってこれを形態化・建築化していたのだろう。

現在はAalto遺族の別荘として使われながら、一般公開されている。
世界遺産の分類で言うと「文化遺産」というよりも「自然遺産」に近いこの『環境』。
資金や観光地化の問題も含め、この『環境』をどのように公開/保存していくかが
アアルト財団にとって非常に難しい検案であるとのことでした。

■ 『Mairea邸』

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今回の旅行でもっとも衝撃を受けた建築が『Mairea邸』だった。
建築要素が執拗に、そして周到に分割され、粒子化していた。
分割よりも分解、いや『溶解』と呼ぶべきなのかもしれない。
そこに存在する全ての要素が様々な方向や大きさに分割されている。

全ての要素が溶解しあいながら、階段やテラス、柱、壁といった建築要素として成立している。
溶解は建築と呼ばれる『もの』にとどまらず、敷地を取り囲む白樺林のとも関係を結んでいた。

内部、外部、敷地、環境・・・。
僕らが意識しているこれらの境界は、この『融解』によってあからさまに乗り越えられている。


曲面、マッピング、細分化、白と色・・・・・
Alvar Aaltoの建築言語は、コンピュータの設計ツールによる現在の[3D architects]と
同じものとして分類できるだろう。
しかし、そこには明らかに異なる精神性が見られ、
ある意味で [3D architects]の先を行っている気がした。

■ ミュールマキ教会・教区センター/ Juha Leviska

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この教会は凡庸な外部空間比べ、内部空間が素晴らしい。
面の「細分化」、「連続」・「不連続」・・・といった操作。
ここでも周辺環境の白樺林が効いていて、内観の垂直連続線と融解した空間そこにあった。

長く垂れた照明群は、ボリュームの中に打たれた「座標点」のようで
空間を「何もない部分」から「何かに満たされている部分」に変換している。

あと、使われている素材が一般的なのが印象的。
無理せず、良い空間が作られていることに脱帽した。


Finlandで見た建築
■Alvar Aalto
・Hlshinki工科大学
    オーディトリアム/図書館/寄宿舎/プラント
・Paimioのサナトリウム
・Mairea邸
・Alvar Aalto美術館
・ユベスキュラ工科大学
   (フィンランド語の特殊文字が表記不可能。Jyvaskylaに似た綴り)
・サユナットサロの村役場
   (フィンランド語の特殊文字が表記不可能。Saynatsaloに似た綴り)
・夏の家(実験住宅)
・Voksenniska教会

■ その他
・Dipoli学生センター / Raili & Reima Pietila
・ミュールマキ教会・教区センター/ ユハ・レビスカ(Juha Leviska)
   (フィンランド語の特殊文字が表記不可能。Myyrmaki/Juha Leviskaに似た綴り)

Architecture Space / 建築, Travel / 旅行 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 9 12, 2005 5:35 | TrackBack (1)

北欧の報告-その1

北欧に行ってきました。

古典的な建築様式と近代建築の過渡期を生き抜き、
北欧の近代建築の道を切り開いたEric Gunner Asplund
いち早く近代建築を自分の道具の中に融解させ、
形態操作としての『近代建築』を乗り越えようとしたAlvar Aalto
この二人の作品を中心にSwedenとFinlandを巡ってきた。

先ずはSwedeのEric Gunner Asplund。
・森の火葬場
・映画館「Skandia」
・Bredenbergs百貨店(だと思われる)
・Stokholm市立図書館
をみた。
その中で良いと思ったのは『森の火葬場』と『Stokholm市立図書館』。

■『森の火葬場』のはSigurd Lewerentzとの共作で
ランドスケープと建築の融合が評価されている作品。
公園のような場所にいくつもの建物が建っていて
移動と共に移り変わる視界が 周到に計画されている。

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この場所については僕が改めて何か書くことはないと思いつつも、一言。
高台になっている広場から『復活の礼拝堂』までの経路は
圧倒的な凄みを持っていた。
歩いていくと

視界が開けた芝生の空間

移動によって小さい葉の塊がチラチラする空間

列柱のように高く林立する空間

壁のように生い茂った木が威圧感をもって連続する空間

『復活の礼拝堂』

とつながっていく。
樹種の変化でここまで空間の質が劇的に変わっていくのかと関心。
地面の上に粒子のように広がっていく墓達が、
実はただ芝の上に直接打ち込まれただけであることにも驚く。

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『聖十字礼拝堂』内部では、表面に対する濃密な操作が行われていた。
中心に据えられた「棺置き場兼火葬装置入り口」に向かって
床の石版が吸い込まれていくように面割されている。
その石版の表面にはドットが打たれていて、
棺への テクスチャーとしての流れを示している。
建築の内部形態としては棺に向かって微妙な傾斜が付けられているんだけれども
形態と言うよりも、執拗なまでの表面操作が空間に流動性を与えていた。

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祭壇前のフレスコ画も面白い。
おわんの一部のように湾曲し、空間を包み込むような壁面が額となっている。
そこには全方向に向かって、複数の消失点を持つ絵があった。
線遠近法ではなく、環境視としてのリアルな視覚システムが意識されている表現だった気がする。

■『Stokholm市立図書館』
見所は中心にある円形の大空間のダイナミズムだろう。
空間の表面素材と化した「群本」と、雲のように上部に連続的に広がる白い壁面の「起伏」。
この要素が、屋内としては突出している空間の大きさを確実に観察者に計測させる。
あと、一見、建築家の欲望だけで構成されたかのようなこの建築が
非常に機能的に作られていることに感心した。

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Eric Gunner Asplundについては、最近写真集兼開設本が発売されたようなので
興味のある方はそちらを見ていただけると良いと思います。

■『聖MARK教会』
森の教会の共作者Sigurd Lewerentzの『聖MARK教会』。
この建築もとても面白かった。
主な素材はレンガなんだけれども、そのレンガの可能性を徹底的に追求している建築。
壁面のレンガは、スケール操作、空隙、異素材との関係、定規としてのレンガ・・・・・・・
といった様々な視点で実験的な操作が行われている。
レンガの一つ一つが、大きな解像度で強い印象を形成しているようで、
本当に印象派のボテッとしたタッチのように扱われていた。
LewerenztはAsplundの影に置かれてしまう傾向があるが、
もっと評価されて良い建築家だと思う。

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■『Stokholm近代美術館・建築博物館
『Stokholm近代美術館・建築博物館』では前からすきだった『Lars Englund』の展覧会が。
迷わず高価な作品集を買う。
この偶然のおかげでその夜は美味しいビールが飲めました。

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Finlandについてはまた次回に。

-Swedenで見た建築--------------------------------
・森の火葬場 / Eric Gunner Asplund, Sigurd Lewerent
・映画館「Skandia」/ Eric Gunner Asplund
・Bredenbergs百貨店/ Eric Gunner Asplund
・Stokholm市立図書館/ Eric Gunner Asplund
・聖MARK教会 / Sigurd Lewerent
・コンサートホール / Ivar Tengbom, Andres Tengbom
・Stokholm市庁舎 / Ragnar Ostberg
・Stokholm近代美術館・建築博物館/ Rafael Moneo
・王宮、その他観光地


Architecture Space / 建築, Travel / 旅行 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 9 4, 2005 7:18 | TrackBack (0)

巴里の素材

僕が勤務する事務所は、2003年の設計競技で「Helold-100 Logements-」という
集合住宅を獲得した。巴里19区に建設予定。
現在、この敷地内で地質汚染が発覚し、土壌改良の検討も含め建設が先送りになっている。

敷地の土の話をしているときに、この物件を担当しているPhilippeが面白いことを教えてくれた。
巴里の地下には無数の空洞があるということ。
と言うのも、巴里の地下は『石切り場』となっていて、巴里に建つ建築物はその石を積むことで作られているという。観光名所となっている共同地下墓地『カタコンブ(catacombes)』も元々は石切り場跡だそうだ。
古い(土着的?)建築物はその地方で良く取れる素材によって作られる。これが、各地方の町並みの色や素材感を決定しているのは常識だけど、大都市巴里の町並みが、『周辺で取れる素材』ではなく、『地下にあった素材』を直接地上で再構成することで成り立っていると聞かされて驚いた。
つまり『巴里の町並み=巴里の地下の色』という事実。

現在、新しい建築物を建設する場合、『石切り場跡』の空洞はコンクリートで充填され、後に新しい建築物の基礎が打たれる。そして、その上に載る新しい建築物にはグローバルに流通する素材、鉄、コンクリート、ガラスが使われる。
『土着性』を賛美するわけでもないし、これを素材の問題に単純化して考えるつもりは全くないけれど、巴里の建築物が持っている土地との親密な関係が、新たな建設によって少しずつ失われていることに寂しさを感じた。

Architecture Space / 建築, Dialy / 日常, Paris / パリ, Urbanism_City / 都市 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 7 24, 2005 19:47 | TrackBack (0)

JAKOB+MACFARLANEの展覧会-その2

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前回の日記にあるように、
JAKOB+MACFARLANEの展覧会のオープニングにパーティーに行ってきた。

起伏を持ったダンボール材の塊が空間の真ん中に浮いている会場構成。
その塊には幾つかの穴が開いていて、
そこに模型とプレゼンテーションシートが貼ってある。
四つある模型のうち二つは3Dプリンターによるもの。
データーがそのまま形態として出てくるこの技術はやはりすごい。
頭で仕組みがわかっていても、実際模型を手に取ると技術の力を実感する。

また、ダンボールの塊の中にはプロジェクターも埋め込まれており
会場の大きく白い壁面に各プロジェクトの映像が投影されていた。

空間の真ん中に何かを置いて、その周辺に場を生み出すという会場構成は
学生時代に担当させてもらったギャラリー間『古谷誠章展 』を思い出す。

誤解されるといけないので
「今回の会場構成は僕は担当していない」とだけは書いておこうかな。

展示プロジェクト
- Restaurant Georges
-Librairie Florence Loewy Books by Artists
-Theatre Maxime Gorki
-Maison H
-100 Logements
-Renault Square Com
-Docks de Paris
(プレゼンテーションシートのみの展示も含む)

Architecture Space / 建築, Event Lecture / イベント | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 6 20, 2005 7:40 | TrackBack (0)

JAKOB+MACFARLANEの展覧会

フランスのオルレアン(ORLEANS)にあるFRACにて
JAKOB+MACFARLANEの展覧会が開かれています。
会期は2005年6月18日から10月23日まで。

そして今日の夜( 6月17日)にはオープニングパーティーが
行われます。
事務所に勤務するみんながこのパーティーに出席し
ORLEANEで一泊してから巴里に帰ってきます。

昨日、建築家4組が参加する国際設計競技をまとめた。
我々以外の参加者は、既に巨匠的な建築家ばかりで、
(うち以外はEL Croquisの特集号が発行されている建築家)
そんな人々と同じ土俵で競っていることの実感がわかない。
そんなこともあり、いつも以上にJAKOB+MACFARLANEの
プロジェクトに対する執念がすさまじかった気がする。

そんなコンペも終わったので、明日は楽しく、騒いで来ようと思います。

Architecture Space / 建築, Event Lecture / イベント, News / 新着情報 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 6 17, 2005 7:30 | Comments (1) | TrackBack (0)

安藤案も建設中止

ここで僕がプロジェクトの行く末を心配するには訳がある。
その理由として、DES HALLESの設計競技のゴタゴタに加え
安藤忠雄さんが設計競技で勝った美術館を含む
Seguin島の再開発自体が
ここ
にあるように簡単に中止になってしまったことが挙げられる。

Seguin島の件は、フランスの大富豪PINAULT(PRINTEMPSFNACの所有者)と
Boulogne市との方向性の不一致が原因だが、
フランス国内におけるの様々なレベルでのオーガナイズの悪さを
非常に良く(も悪くも)象徴している。

Architecture Space / 建築, Art / 美術, News / 新着情報, Paris / パリ, Urbanism_City / 都市 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 5 30, 2005 9:36 | TrackBack (1)

国際設計競技に勝つ

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JAKOB+MACFARLANEにおける僕の初担当プロジェクトが
国際設計競技で1位を獲得した。
現在、プロジェクトの実現に向け、市との調整が始まっている。

それに合わせて、Pavillon De L’Arsenal(日本で言うギャラリー間)で
上位11案のプレゼンテーションと模型が展示されている。
そこにはFuture Systemsやフランスの若手建築家Manuelle Gautrandの名前もあった。

設計競技の概要をさっと書いてみると、
セーヌ川左岸再整備プロジェクトの一つで、
国立図書館近くの川岸に
昔、倉庫として使われていた12000平米の建物が建っている。
セーヌ川に開きながら、商業施設、文化施設等、レジャープレイスを
この建物の躯体を活用して構築するのがパリ市からの要求。
躯体を利用するのは、セーヌの水運で発展してきたした「パリの記憶」を
オブジェクトとして継承しようとするものだ。
内部の諸施設は、今後の市との協議で変更があると思う。

圧倒的な敷地の特性(セーヌ川との関係)と
特殊な既存躯体を残した改修計画と言った強いコンテクストに導かれ、
どの案も方向性が非常に似ている。
躯体は、セーヌ川に平行して細長く伸びており、
川の直角方向には4つのスパンを持っている。
「川と直角方向の4スパンに異なる機能、または形態をパラレルに並べた案」
もしくは、
「躯体を皮膜でまるごと包み込み、その皮膜が設定条件によって変形していく」
というのが、だいたい全ての案が持っている方向性。

僕らの案は後者に属していて、動脈のように躯体から皮膜が盛り上がり
そこが館内の動線や屋上レストランのサービススペースになるというもの。
JAKOB+MACFARLANEの作品Restaurant GEORGE(Centre Pompidou内)の
床面の一方向への形態操作を、屋根面・外壁面の3次元方向への形態操作に
拡張したものだと言えるのかもしれない。

パリ市内、もしくは周辺の巨大プロジェクトが立て続けに、
変更、中止されているだけに僕らのプロジェクトの行く末が心配だ。
「この案は実現するのだろうかと」と不安になってしまう。

Architecture Space / 建築, Event Lecture / イベント, News / 新着情報, Paris / パリ, Urbanism_City / 都市 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 5 30, 2005 8:42 | Comments (3) | TrackBack (1)

BACCARAT GALLERY-MUSEE

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NOUVEL(ヌーベル)事務所の山添ナオリさんが薦める
『BACCARAT GALLERY-MUSEE(バカラ美術館)』へ。

昔、大金持ちが、芸術家や作家、音楽家のために
サロンとして開放していた邸宅を改修したもの。
設計は『Phillipe Starck(フィリップ・スタルク )』
鏡やスケール操作を多用した空間は、
『ハイパー・リアル・ゴージャス』と言う感じで、
本物の高級品で作られたディズニーランドのよう。

『本物の高級感 / 似非ゴージャス』の境界とは何なのか少し分からなくなる。
スタルク特有のギャグセンスでこれらの境界を積極的に曖昧にすることで、
現在流行のブランド建築の『意味』と言うか、『在り方』を
『高級』の意味と共に問い直しているのであれば、頭が上がらない。

彼に限ってそんなことはないかな?

ちなみに僕の腕時計は彼のデザインです。

Architecture Space / 建築, Paris / パリ | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 5 22, 2005 21:50 | TrackBack (0)

あっという間の日本

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5月10日にフランスに帰ってきました。
帰国時は、一年ぶりの日本食三昧と二年ぶりのサーフィンで
だいぶ心の充電が出来た気がする。
なんと言っても、日本は魚とご飯がおいしい。

今回の帰国では出来る限り動いて、色々な人にお会いしたけれども
全ての人々と都合をあわすことが出来なかったのが心残り。
一ヶ月とは非常に短いものです。

日本であった出来事を全て書こうとすると
何時までたってもフランスのことが書き始められないので
また、他のエピソードに絡めて書くことが出来たらと思う。

エピソードを一つだけ。
そんなパンパンの日程を押して石川県に行ってきた。
金沢21世紀美術館がメインの目的。
これに関しては多くの言説が既にあるので語るまでもないが、
僕にとっては、建築表現よりも使用者の活動が印象に残った。
そんな公共建築は伊東東雄さんの仙台メディアテーク以来なかった気がする。
この印象は、この建築が「箱物」ではなく、「市民に愛される建築」であることを
表しているのだろう。

この旅で一番印象に残っているのは石川県の北にある小さな島、「能登島」。
山並みから海岸沿いまで連続する棚田。
水面によるランドスケープを車で走りぬけると
「空を飛ぶよう」というか「海を突き抜けるよう」というか。
建築空間はこの感動を超えることが出来るのだろうか?
などと、ふと考えてしまった。


Architecture Space / 建築, Dialy / 日常, Travel / 旅行 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 5 17, 2005 21:41 | TrackBack (0)

改修工事

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先日、去年からはじまった事務所内の改修工事が終わった。
模型室のぼろぼろなった床や壁を剥がし、
表面を平滑にし、白と灰色のペンキを塗っていくというもの。

写真は工事中ではなく、完成した状態。

長い年月の間に何度も改修されているこの部屋には
過去の痕跡が昔の窓枠や扉の建具として残っている。
これらの目地が徹底的に消去されることで、
室内は起伏のある一枚の表面のように仕上げられる。
そこでは、
天井についているはずの『蛍光灯ユニット』が一方の壁に無造作に立てかけれら、
もう片方の壁を、居住空間には使われない『工事用照明』が照らしている。


それだけの事なんだけれども、
これらの『ズレ』の集合が
一般的に『ホワイトキューブ』と呼ばれるものとは決定的に異なる
『抽象的』な空間を生み出している。

普段、慣れ親しんでいる場所が変化したので
特別に気になっているだけかもしれないと思いつつも、
『おもしろい空間』を大掛かりな操作を施さずに作ることは可能なんだなーと
改めて実感する。

現在は、この場所には大きな机がひとつ置かれ
そこで、JAKOBとMACFARLANEがひたすらスケッチしています。

Architecture Space / 建築, Paris / パリ | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 1 24, 2005 8:51 | TrackBack (0)

仏蘭西のArchitectとStagiaire

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今週は一週間あっという間に過ぎてしまった。
年末と言うこともあるのだけれども、それ以上に
今週は毎晩のようにfete(パーティー)があったから、そう感じるのかもしれない。
なぜ毎晩のようにfeteがあったかと言うと
所員1人と2人のstagiaire(研修生)が事務所を去るからです。

フランスの設計事務所は日本の設計事務所と比べて
人の入れ代わりが非常に多く
うちの事務所でも、だいたい3ヶ月おきに壮行会のfeteがあります。

それはフランスにおける設計事務所の契約形態によるところが大きく
日本のような終身雇用より、プロジェクトごと、短期間ごとの契約が多い。
と言うのも、雇用者は能力のある人しか必要としていないし
Architect(アーキテクト・日本語訳の建築家とは異なるニュアンス)は
興味のあるプロジェクトがないと去っていく。
また、色々な事務所で多くのプロジェクトに参加すること自体が
Architectの価値をあげるということも理由に挙げられます。
いかにも『契約社会・フランス』と言う感じだが、
これはヨーロッパ全土で共通のようです。

今回JAKOB+MACFARLANEを退社するのは、
3年半勤務していたオーストリア人のArchitecで
かなりの数のプロジェクトと、事務所のグラフィックデザイン全てを統括していた。
元々ファッション関係出ということもあって、美術関係に精通し
個人的 (PETRA MAIER)にも既に活動している。
来年はオーストラリアの設計事務所に勤務し中東のプロジェクトに関わるらしい。
色々な国で暮らしたいという彼女にとって、そろそろ生活環境(国)の換え時らしい。

人の入れ代わりが多いもう一つの理由としてstageと呼ばれる研修制度がある。
フランスでは、ほぼ全ての職業に
stage(スタージュまたはapprentissageアプランティサージ)があって
ケーキ職人や料理人、心理カウンセラー、整体師、そして建築家にも
一定の研修期間が定められている。

建築学科の学生の場合、Stagiaire(スタジエール・研修生)は社員のように勤務し、
図面を引き、業者の打ち合わせも行ったりする。
正社員の1/3の賃金も保証されていて、
自分の職業で果たす社会的責任も感じることが出来る。
その後に学生の総決算diplome(卒業設計)に取り掛かることができ、、
卒業した時点でArchitectの免状を手にすることが出来る。
この制度のおかげで全ての新卒者は即戦力として仕事につくことができるし、
雇用者側も日本の新人研修のような再教育の期間を省くことが出来る。

素晴らしい制度である反面、『建築』ではあまりにも現実的なことを
学生時代に知りすぎてしまって
新しい思考回路や発想が育ちにくいというのはあるようだ。

どちらにしても今回事務所を去っていく人々の健闘を強く祈っている。

写真は勤務後のお別れ会の様子と
後日 fete(パーティー)で 食べたraclette(ラクレット)と言う料理。
raclette(ラクレット)はチーズを小さい容器でやわらかくし、
ジャガイモ、ハム、ベーコンなどと一緒にいただく。
みんなでワイワイ、ガヤガヤと食べる料理で日本でいう鍋料理かもしれない。

Architecture Space / 建築 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 12 20, 2004 10:08 | TrackBack (0)

La Saline Royale D’Arc-et-Senans

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・ 11日
松田達さんに誘っていただきFete de la maisonへ。
スペイン人建築家の家で行われたのですが
話してみると、そこにいるほとんどの人が建築家、もしくはstagiaire(研修生)。
国籍はフランス、スペイン、イタリアなど。
僕がたどたどしくフランス語を並べている横で松田さんはスペイン語を話していた。
フランス語と似ているとはいえ、すごい。
翌朝を考慮して、この日は悔しくも早めに帰宅。

・ 12日
La Saline Royale D’Arc-et-Senans(ショーの製塩工場)へ。
18世紀にClaude−Nicolas Ledoux(クロード・ニコラ・ルドゥー)によって建設された
王立の製塩工場で1982年にUNESCOの世界遺産に登録されている。

幾何学的な構成・密度の多様性・方向によって異なる「見え」。
全ての操作は非常に精密であると共に狂気じみたものであった。

正直、今までLedoux(ルドゥー)にはあまり関心が無かったのだけれども、
「もの」を見た後は、その魅力に取り付かれたしまった。
あまりの情報量の多さに上手く消化できていないので
これは、改めてまとめてみたいと思う。

DIJON(ディジョン)へ
午後はブルゴーニュ地方の町、DIJON(ディジョン)に行く。
Arc-et-Senans(アーケセナン)からの乗り継ぎが上手くいかず、
名産のmoutard(マスタード)は買うことが出来たが、
escargot(エスカルゴー)とvin(ワイン)をいただくことができなかった。

しかし、300ページにも及ぶLedoux(ルドゥー)の図版集を
手に入れることが出来たので全く悔しさが残らなかった。
むしろ、これをどう料理(解釈)しようかで頭がいっぱいになる。

Architecture Space / 建築, Travel / 旅行, Urbanism_City / 都市 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 12 13, 2004 7:03 | TrackBack (0)

BECHERの写真

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・18日
毎年11月の第三木曜日に解禁されるワイン・ボジョレーヌーボー(Beaujolais nouveau)を飲む。
日本のように大騒ぎにはなっていないが、レストランや惣菜屋に行くと
店員さんがさりげなく勧めてくれる。
僕も平日の昼食にこれをさりげなく飲む。
このさりげなさ。さすが、ワイン文化が充実している。

日本でのボジョレーやスターバックスの熱狂は、
ワイン文化やカフェ文化の成熟度の違いを表している気がする。
それを証拠に、元々カフェ文化があるパリでは、スターバックが入り込む余地が無く
観光客エリアに二店舗しかない。

・20日
Center pompiduで行われているBERND ET HILLA BECHER展へ。
時代、国籍、文脈が異なる一つの『工業建築・設備』を同じ視点で撮影し、
即物的な『もの』でさえも、それを取り囲む時代や状況によって
様々に変化するということをあらわにするタイポロジー(Typology)。
BERND ET HILLA BECHERはこの技法で有名なドイツ人写真家。

今回の展覧会では下記の10作品が展示されていた。
給水塔(Chateaux d’ eau)
冷却塔(Tours de refrigeration)
ガスタンク(Gazometres)
縦坑(Chevalements)
加工工場(Usine de traitement)
砂利倉庫(Gravieres)
炉(Fours a chaux)
穀物サイロ(Silos a cereales)
石炭サイロ(Silos a charbon)
溶鉱炉(Hauts fourneaux)
パイプ群の詳細(Details)
生産工場(Halles de production)

光が均等に当たる曇りを選んで撮影された写真群からは、
正面のアングルとも相まって
グラフィックデザインのような二次元的印象を強く受けた。
被写体は形態が似ているのにも関わらず、
そこに張り付く「素材」や「スケール」が様々に変化しているので
まるで3Dグラフィックのマッピングスタディーを見ているよう。

「特定の素材が連続していく」という『工業建築・設備』に特有の『表面』構成は、
一般的な「建築」のデザインに適用できる十分な魅力を持っている。
(※写真は展覧会カタログの写真)

Architecture Space / 建築, Art / 美術, Event Lecture / イベント, Paris / パリ | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 11 29, 2004 0:56 | Comments (3) | TrackBack (0)

Centre de communication pour RENAULT

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仕事でCentre de communication pour RENAULTの現場へ。

フランスの自動車会社ルノー(RENAULT)が展示・会議・その他催し物を行う施設。
設計競技によって獲得した仕事で、元々あるルノーの工場を改修することで作られます。

既に世界中の建築本や雑誌に取り上げられているので
ご存知の方も多いかもしれません。

我々の計画は、工場の『ノコギリ採光天井』が持つ魅力を最大限に生かし
改修後に作られる諸室群全てを、この『ノコギリ表面』の拡張形態として構成すること。

規模や性質によって、『ノコギリ表面』と各諸室の関係性は変化し
これによって多様性のある空間群の構成を可能としている。
中央の『ガランドウ』空間では、工場が元々持っていた
ダイナミックなスケールを体感することができる。

完成は12月末の予定です。

敷地はパリの外れにある、ルノー地帯と呼ばれるルノーの施設が集まる場所。
その地域は現在、パリの一大文化再開発地区になろうとしていて、
すぐ近くには日本人建築家・安藤忠雄さんの美術館などが建設予定。

元々高級住宅地のであるこの一帯ですが、
この開発によってさらに地価が上がったらしいです。

Architecture Space / 建築, Paris / パリ | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 11 18, 2004 23:10 | TrackBack (0)

かみのけんちく

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リクエストにお答えして・・・・・・・・・坂茂さんの事務所情報を。

外観はこんな感じです。
ガラス越しだから上手く撮れませんでした。

場所はレストラン「george」と最上階の展示室をつなぐ廊下に面した
中庭に設置されています。

内観は・・・・・ごめんなさい。プライベートスペースなので記載できません。。

Architecture Space / 建築, Paris / パリ | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 11 15, 2004 22:34 | Comments (7) | TrackBack (0)

「紙」と「お寿司」と「浮世絵」と

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・ 10日
坂茂パリ事務所の岡田君に誘われて坂事務所見学へ。
Center pompiduの最上階にはjakob+macfarlane設計のレストラン「George」が。
それを横目に進んでいくと仮設テントとして設けられた事務所が見えてくる。
建物は坂茂さんの「ブランドロゴ」となった紙管による構造。
断熱材に薄い発泡スチロールを使っていて、夜になると光が透けてとてもきれい。
「設置場所」も、「日本人による紙建築」であるということも含め
この建築自体が展示物と化していました。
さすがポンピドーセンター。色々なことがかなり戦略的です。

・ 14日
事務所のみんなを招待して、手巻き寿司パーティー。
早朝に市に買出しに行った甲斐あってかなり好評。

・ 15日
Galeries Nationales du Grand Palaisで行われている「Images du monde flottant」展へ。
Images du monde flottantとは、絵・世・浮。つまり日本の浮世絵の展示です。
フランスで見る日本の展示は何か不思議。
展示よりもフランス人の反応に興味が向いてしまう。

すごい量の浮世絵をまとめて見るのは今回が初めて。
西洋絵画は、あるテーマ(例えば「受胎告知」)に沿って全ての要素が構成されている。
それは絵画の中に一つの(「時間」とも呼べる)物語が存在している。
一方、(特に多人数が描かれた)浮世絵の画面では、ある者は歌い・踊り、ある者は決闘し
そしてあるものは寝ていたりする。
つまり、画面の様々な部分にそれぞれの物語(「時間」)が流れている。

表現方法としては、物の大小関係・位置関係、記号的表現など、
やはり西洋的絵画とはかなり違ていることを再々確認。
とくに、勝川春潮が描いた「EDOcho dans quartier de YOSHIKAWA(江戸よしかわ地区/正式名称不明)」
が興味深い。
道沿った幾つかの建物があって、全ての建物はそれぞれの消失点をもった遠近法で、
道をまたぐ門はアクソノメトリックで描かれている。
先日見た歌舞伎の舞台装置にもった感想と同じで、遠近感が曖昧に設定されているから
見かたによって遠近関係がかなり変化してくる。
無自覚にこの操作を行っているんだろうけど、ホルバインの絵よりやってることが面白い。

そういえば浮世絵も歌舞伎も江戸時代に起源を持つものですね。
この表現は時代によって共通に埋め込まれた表現形式だったのかも知れない。

写真は自宅近くで建設が続くJean Nouvel設計のmusee du quai branly
散歩中に撮影したもの。
壁面の植物が異様で魅力的。

Architecture Space / 建築, Art / 美術, Event Lecture / イベント, Paris / パリ | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 11 14, 2004 23:10 | Comments (2) | TrackBack (0)

「Biennale Venezia」という「形式」

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9th Biennale Veneziaにいってきました。
ギャラリー間の相川さんと坂茂事務所の岡田君とベニスにて待ち合わせる。

「I Giardini Della Biennale」と「Arsenale」の2会場があって
これを二日に分けて見学。

「I Giardini Della Biennale」は
カルロ・スカルパ(Carlo Scarpa)による
ベネゼーラ(Venezuela)館のディテールとテクスチャー、
スウェーデン、ノルウェイ、フィンランド(Svezia, Norvegia, Finlandia)館の
土木的ダイナミックさと、光の繊細さに心を奪われました。

我等が日本(Giappone)館は漫画によるオタクの氾濫。
日本の「まんが・オタク」が、世界規模で起こったヒッピーのような流行の
次世代的なものであって、「日本から初めて発信するワールドカルチャーである。」
といわれたら、そうかもしれないと思います。
でも、見ていて不健康で気持ちよくないというのが僕の感想です。
最先端の思想をインプットするまたとないチャンスだったのに
これを逃してしまったのかもしれない。もったいないことをしました。

「Arsenale」は、海軍倉庫の一部が会場として開放され
そこにものすごい量の作品が、分類・編集され、展示されていました。
我々JAKOB+MACFARLANEの作品もここに展示してありました。

Biennale全体の感想は言うと、新しいものは全く感じられませんでした。
次世代の運動や方向性を示すはずのBiennale Veneziaですが
その役割を演じ切れてない印象を受ける。

メディアが発達し、世界中に建築・デザインの情報が駆け巡る現在において
旧来から続く、サロン的な展示方法は次世代を標榜するにはあまりにも
効力を失効した形式なのかもしれないと感じる展示でした。

Architecture Space / 建築, Event Lecture / イベント, Travel / 旅行, Urbanism_City / 都市 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 11 1, 2004 10:30 | TrackBack (0)

「曖昧さ」と「多様さ」

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10月17日、Theatre National de Chaillotに歌舞伎を見に行きました。

開演前に片岡市蔵さんの楽屋にお邪魔する。
色々聞きたいことがあるのに鋭い質問が出てこない
出てくるのは平凡な質問ばかり。
「何でも聞いてください。」との言葉に逆に緊張して
ただただ、メークの工程を眺めていた。
またとないチャンスだったのにと後悔し、自分の勉強不足を痛感する。

歌舞伎は非常に楽しませていただきました。
面白かったのは舞台装置による「遠近関係」の表現。
建物や背後の風景の部分部分が、
・大小関係があったり、無かったり
・ パースがかかっていたり、無かったり
する状態で同時に、同次元で舞台上に配されているので
それ単体では「距離感」が把握できない。

このように、あらかじめ「距離感の曖昧さ=多様性」を設定して置くことで
話の流れや、演者の配置によって自由に「距離感」を変更することができる。

「距離感」が明確に設定されている西洋舞台装置には
このような「距離感」の把握はあるのだろうか?
今思い起こしても、非常に不思議な体験でした。

その他にも発見が多くありました。
日本の文化はやはり注目すべき点が多い。

Architecture Space / 建築, Event Lecture / イベント, 映画・演劇 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 11 1, 2004 10:26 | TrackBack (0)

ビエンナーレ

日記を一週間サボってしまいました。
来週初めの更新を狙ってはいるんですが、今週末ベネチア・ビエンナーレに向かいます。

ビエンナーレに、現在僕が勤務しているJAKOB+MACFARLANEが
フランス代表として出展していて、そのプレゼンの一部を僕が担当しました。
11月初めの会期終了前にそれを見るのが今回の目的です。

現地では、ギャラリー間のキュレーター相川さん、
パリの坂茂事務所で勤務する岡田さんと
落ち合う予定です。
もしかしたらC+Aの小嶋さんともお会いできるかもしれません。

この文章を書きながらも、メンバーの豪華さに驚いています。

っと言うこともあり来週末も日記が更新できないかもしれません。
週一回の更新でも「日記」ではないのに
三週間サボったら何と呼べばいいんだろう。

書き留めておきたいことは溜まっているので、
近いうちに一気に更新したいと思います。

Architecture Space / 建築, Event Lecture / イベント, Travel / 旅行 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 10 22, 2004 7:21 | Comments (2) | TrackBack (0)