中央に位置する不思議な展示室@frankfurt

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フランクフルトにはマイン川沿いにミュージアム通りと呼ばれる通りがあって,10館もの美術館・博物館が並んでいる.その中で最も大きなものが「Städelsches Kunstinstitut und Städtische Galerie(シュテーデル美術館・市立美術館)」である.

クラシカルでシンメトリーな外観の建物に,やはりシンメトリーな展示室が拡がっている.2階に19,20世紀の作品,3階に14〜18世紀の作品とさまざまな年代の作品が展示されている.1817年設立,78年に現在の位置に移転したが,第二次世界大戦の被害に遭い,1963年にJohannes Krahn設計によって再建された.その意味では特別に古い建物というわけではない.展示室はフローリングまたは黒い石,壁はさまざまな色に塗られているヨーロッパでは典型的な美術館.中央の階段を上がると,真っ青に塗られた壁に絵が架けられており,展示室とも思える不思議なスペースに入り,そこから各展示室へと分かれていく(階段室写真).美術館の後方側面にはグスタフ・パイヒルにより1990年に増築された企画展示室が増築され,2階の展示室で接続しているのだが,展示替えのために使用されていなかった(おそらく増築部分の展示室写真).写真は裏庭で,右が本館,正面が増築.(参考リンク

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2つの企画展が常設展示に挟み込まれるように行われていた.「Fokus auf Jan van Eyck: Lucca-Madonna」展は,アイクのただ1点の絵にフォーカスを当てたもの(作品・展示室写真).「Martin Kippenberger: Arbeiten bis alles geklärt ist - Bilder 1984/85」展は,97年に夭折し,近年テート・モダンで回顧展が開かれるなど注目されているKippenbergerの個展(作品・展示室写真).といっても展示されていたのは84,85年に描かれた数点の作品だけで,あまりおもしろいものではなかった.Kuppelsaalと呼ばれるドーム状のトップライトを持つ中央の展示室で行われていたのだが,ここもまた円形に下へ吹き抜けているロビーのような空間であった.そのためか作品に集中しにくく.展示室としてはちょっと不思議なスペースだった.
この美術館の裏にはStaatliche Hochschule für Bildende Künsteという芸術学校があって,かつでピーター・クックが教鞭を執っていた際に設計したガラス張りの学食があるらしい.現在は,ベン・ファン・ベルケルが学科長のようだ.

美術 | Posted by satohshinya at January 14, 2007 0:32


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