Artist's Roof 都市臨海部における土地利用再考計画 長倉豊

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産業構造の変化や水域の住環境資源としての価値の認識の高まりに伴い,近年,都市臨海部では海辺に住宅や商業施設,緑地などがもうけられるようになり,その土地利用構造が著しく変化している.都市の臨海部の中でも横浜は歴史ある港町で,港とともに発展してきた横浜にとって,横浜港はその経済基盤として重要な役割を果たしている.横浜の「港」は産業構造の変化等により沖合では活発な港湾活動が行われているものの,街中からは港湾の機能が見えない,港の風景のない港町になってしまった.そこで「港」の既存倉庫を活かし,そこに新たな機能を加えることで,現代における横浜港の姿を再構築する.現在敷地の北側は整備が行われておらず,土地が手つかずの状態になっている.さらに敷地中央に開港の道,山下臨港線プロムナードが挿入していることで敷地が分断され,一方は利用され,一方は利用されていないという状況になっている.敷地の南側には輸出入の貨物を保管する倉庫が2棟あり,そのうちの1棟は今でも倉庫として機能している.しかし,産業構造の変化により臨海部の倉庫業が衰退化したことで,残りの1棟は海外からの輸入雑貨を販売する店舗として利用されている.敷地の現状と問題点から,敷地全体に緑地等の整備を行い広場を設ける.さらに現在,横浜の臨海部が急速に整備されたことにより,臨海部に横浜市民のみならず多くの人が訪れるようになった.そこで臨海部にアート施設を設けることで,横浜のアート活動を横浜市民及び横浜に訪れる人々に理解・認識を深める.アート活動に必要な機能(アトリエ,ギャラリー)を広場というバックグラウンドに配置し,敷地内の現在もまだ機能している倉庫の一部を借りて,作品の一時保管として利用する.もう一棟の倉庫はすでに倉庫としての機能はなく店舗として使われているので,改修を行い常設展示スペースとする.

2004年度, 卒業設計, 4年 | Posted by tkmy at October 30, 2004 12:00


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