生け花 × ダンス = 変化し続ける「美しさ」

(Japanese Only)

久しぶりに、創作パフォーマンスを観に、劇場に足を運んだ。
生け花道と現代ダンスの融合。

「心奪(Shinbaï) 魂の略奪、あるいは飛翔」(東京日仏学院主催)
生け花:奥平清鳳氏、
現代ダンス:Emmanuelle Huynh

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久しぶりに、新鮮な感覚を得ることができた、非常に面白いものだった。
そこでは、当たり前の様な3つのことに気づかされた。

①生け花は、「時間のデザイン」
花、草、木々、実、コケ、器。
生まれ方も朽ち方も異なるものを寄せ集め、新しい時間をデザインする。

②生け花は、「引算のデザイン」
どうしようもなく「具体的」な植物という存在を、
「引算」によって、無機物のように極限まで抽象化する。

③現代ダンスは、「瞬間のデザイン」
自分×共演者×観客×舞台条件×・・
瞬間、瞬間に反応しながら「美しい状況」を探究する。


パフォーマンス=====

大きな古木が立つ舞台。
二人は、その両袖に別れ、無関係に「花を立て」、「踊り」続ける。
そこには空白という「間」のみがある。

ある時、「ダンス」が「生ける行為」を浸食し始める。
そして、関係という「間」が両者に生まれる

最後には、「生け花/ダンス」という二つの行為は、「生け花=ダンス」として融合する。
生きる草木、花、古木、無機物、人、行為、時間・・・・・
美の探究パフォーマンスでは、全てがその「素材」として等価に扱われている。
全ては、三次元空間の「間」に昇華される。


一番興味深かったのは、
「最高に美しい状態」が変化し続けること。

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エマニュエル氏を含めた、舞台上の全てを「最高に美しい状態」にする清鳳氏。
それを美しいダンスで崩していくエマニュエル氏。
その崩しに反応するような「美しさ」の再構築・・

「最高に美しい状態」を数百年継続させつつ、
一時として同じ時がない。
そこに、日本庭園の儚さと美しさを重ねた。


生け花は、「時間のデザイン」
生け花は、「引算のデザイン」
現代ダンスは、「瞬間のデザイン」

そして、「生け花」×「現代ダンス」は時「間」空「間」を緻密にデザインする。


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Art / 美術, Event Lecture / イベント, 映画・演劇 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 9 28, 2010 23:33


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