山中新太郎 展示作品
旧南豆製氷所 静岡県下田市 2005〜
大正12年頃に建造された伊豆石造の製氷工場跡「旧南豆製氷所(国指定登録有形文化財)」の補修・活用計画。建物は約80年にわたって漁船に積み込むための氷の製造を行っていたが、2004年に廃業。その後、市民などの保存運動によって取り壊しを免れ、自主的な運営によって展覧会や音楽会などさまざまな活動が行われている。建物の構造的な劣化が進行している中で、廃墟的な雰囲気を残しながら、将来にわたっても安全で、市民によって柔軟に空間を使い続けられることが求められている。これに対し、既存建物は最小限の構造補強を施した「空っぽの箱」とし、必要な機能を建物本体とは切り離した「道具箱」によって成立させることを計画している。
設計 山中新太郎建築設計事務所 構造 腰原幹雄
敷地面積 922.56㎡ 延床面積 744.00㎡ 石造 平屋一部地上2階
幸手ハウス 埼玉県幸手市 2006
日本のどの郊外とも見分けがつかないような穏やかさと凡庸さを持つ風景の中に、ありふれたシルエットである黒い家型を置いた。安易に郊外の景観を批判するのでもなく、反対に郊外に背を向けるのでもない、この場所に溶け込みつつも違和感のある風景を生み出すことを目指した。構造的に家型は独立しているため、内部の間仕切りや床を無関係に変えることで、刹那的な家族の生活に対応することができる。住宅は透明でなければならないという必然性はなく、モノコックな黒い家型の外部とブルータルなコンクリート打ち放しの内部という表裏の違いを持った「不透明な住宅」が意図されている。
設計 山中新太郎建築設計事務所 構造 腰原幹雄 佐藤孝浩
敷地面積 326.86㎡ 延床面積 163.80㎡ 鉄筋コンクリート造 地上2階
4展示作品 | Posted by satohshinya at 3 29, 2009 23:01
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