モティーフが語る可能性

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伊東豊雄もの(建築)はあんま好みでない。メディアテークを始め、ぼくにはハードさがものたりない。艶めかしくやさしすぎる。案の定、ぽ氏におまえは嫌われるタイプだと言われた。ちょっと、いや結構ショックだったけど。何はともあれ、いつも期待させてくれる伊東さんの言説。今回も燦々とした気分でオープンしたトッズを見た。注目すべくは主に二点。実際のケヤキとのシンクロ感。ガラスのおさまり。目地を消そうとする、ガラスを填めてから、スムージングを掛ける行為。(ガラスのおさまり具合はこちらの方が写真豊富。サイドバーのTod's Building.をクリックすると見れます)。手作り的な思考性がもたらしている彼の目地フェチは、せんだいメディアテークまでさかのぼれる。GAdetail2の論文において五つの原則を発表しているが、そこで「目地を消したい」と言っている。明らかにコルビジェの五原則を意識していて、内容もモダニティというユートピアの進化を、一人の建築家のテーゼによって知らしめられるものになっており、気合い入ってる。そういうモダニストしての一面と、けやきが共存出来る彼の言説に惹かれる。惹かれまくり。全然建築の感想書いてませんが、内装も伊東さんが関与されているだけあって、商業建築にありがちなDiorのような外装と内装という二項対立もしくは、乖離は起きていない。ちなみに、実際見て比較するとすぐわかるが、Diorは表参道にお金かけ過ぎで、銀座がチープすぎる。建築家がどこまで関与できて、影響を及ぼしているかはわからないが、トッズはバランスがとれている。また、商品が通りまで出てきているのでどこかイタリアの街角らしさを感じる。自然に人も群がる。セリエのフィオレンティーナのオーナーでもあるが、セリエAに上がった時点で中田を獲得したタイミングと表参道に構える戦略なんて分かりやすすぎるが、なんだか愛らしい。で、建築の評価まだしてない。今後どのようにこの建築が残るのかが面白いところだと思っている。商業建築の場合その華やかさの裏に、予期せぬ事態に回収されるという、シニカルな側面を持つ。トッズが、日本でうまくいかなくなったり、プログラムの要求上、手放すなんてことも考えられる。そう言った時に、この建築がどこへ向かうのかが、楽しみ。実際のけやきは、表参道を象徴するような存在になっているが、けやきのモティーフを持つことで建築がどこまで社会に開かれていくか。楽しい建築を体現する象徴となれるか。注目すべき二点なんて書いているが、写真で十分わかりますね。

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後で気づいたが、もっと振って撮ったらケヤキで覆われている感じがわかる。店内に投影されているプレゼンテーションもおもしろい。
LINK:architettura/TOYO ITO. TOD'S Omotesando Building
(ケヤキで覆われている感じがよくわかる写真がある)

再構築目まぐるしい表参道情報としては、安藤忠雄のhhstayleがまもなく出来上がりそうです。あと、キャットストリートへ入るところ(アールジーンのショップの前)にデッキみたいなの。なんだありゃ?まったくデザインしていない。聞くところによると学生が企画したとか。姿勢は評価できても、出来た「もの」としての評価も同時に立ち現れる事実を黙認している。

個人的な回想
けやきが、ショッピングと建築をつなぐポピュラリティ(大衆性)を獲得したということを、shinya:鉄板エントリーのコメントで口走ったついでに、トッズの敷地から近いところで、三年の時、僕もひとつの回答を出しているので、当時の思考をモティーフというキーワードで、けやきとシンクロさせてみようかと思う。当時のコンセプトは、こうだ「木のように見える構造があればいい」。単純に、僕の中にあった上位主義の建築がショッピングを扱うときのトラウマになっていた。従って、予期せぬ事態に回収されても残る部分を具体的なもので作ろうとした。建築が変わらないということを、シンボリックに見える構造で表現したのだ。空間構成は、目的空間がショーウィンドウと呼ぶ外からも見える部屋。(フェラーリの専売店を計画したのだが、ブランドと一般的に呼ばれているものであれば、なんでもよくて2500平米の敷地に、車のデリーブによって予期せぬように見える残余空間が作れるのではないかともくろんで、車を選択した。)それ以外のプログラム(車を搬入する動線 カフェ バックヤード 機械室など)は、一辺50m(敷地外周100m)の正六面体の中に立つ木のような構造と目的空間以外に充填されていく。多くはその足下で解決した。その足下の空間イメージは、ショッピングとは関係を切れる無目的な都市の庭とショッピング行為が共存する空間を想像していた。トッズも敷地全周100m。決定的に違うのが、L字の敷地ということ。氏も述べているが、敷地がここまでタイトでなければチューブが発生したということをPLOTで言っている。建築が建つという構造が、彼の建築にはあるので、真正面から立ち向かえば、比較することもばかばかしいけれど、今回は、建築が何をプレゼンス出来るのかということだけについて考えたい。僕の提案は、構造さえ残れば、機能が回収されても構わんと言うスタンスがコンセプト。(はじめは、ショッピングを楽しむ人、街を楽しむ人どちらも引き込める空間をつくりたいというところから始めた)空閑地になったとしても、足下に魅力的な空間が残ることによって、木のような構造の強度を説明しようとした。伊東豊雄が「20世紀を通じて、幾何学を頼りにしながら抽象的な建築を作ってきた。でも、それを今考えてみると、避けられない構造や施工の問題があって、単純化するとか、幾何学に一度置き換えて解析をしてきた。今や複雑な物を難解なまま解けてしまう。」というように技術に裏付けられたアルゴリズムが、わかりやすい形態に置き換えられ、そこの場所におけるシンボル(けやき)とリンクする。ただ、僕の場合は、木々が四季折々に風貌を変えることによって存在を示すことをイメージの始まりにしているので、目立たない(トッズは、表面がケヤキ。)もしくは意識されないが、残ってしまうようなシンボル性をもつ構造体にしたいというところが違った。と言いたい。

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なんだか変わらないじゃないという感じがするが、一人の建築家の思考を、自らの創作を通して理解していく。一人の建築家の思考の変遷を知る事は、建築を知るためのひとつの手段と思える。

建築, portfolio | Posted by at December 29, 2004 4:41 | TrackBack (0)

映り込むWAIST DOWN@PRADA

Architectural Design×Curation and Exhibition Design
Herzog & de Meuron×AMO/OMA
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中止になったNYのAstor Hotelにおけるコラボレーションと今回はテンション(意味)が違うものの、国際巡回展という名目が実現したプラダ青山におけるテンポラリー空間。このコラボレーションも、エキサイトな気分になれた。akuエントリーが、正面からの写真(模型)だったので、鏡面に映り込んだ腰下をエントリー。繁忙期にも関わらず陳列している商品を大幅に減らしてまで展示する姿勢はすばらしいです。展示と商品を分けていない点。展示を見たい人とショッピングを楽しみたい人を含めた動線。同じような類をメゾンエルメスやルイヴィトンに見ることが出来ますが、プラダが一歩リードか。また、写真にあるような大物の展示空間はあまり人がおらず堪能できます。エレベーターの中も要チェック。
ちなみに、エピセンターはNYソーホーの一号店に続いて、二号店のロサンジェルス 三号店のサンフランシスコ 以上OMA。四号店の青山 H&deMとなっている。エピセンターというコンセプトは、単なるショッピング空間を超えて、公共性と文化活動の融合をめざした場所。本来的には震源地という意味を持っており、従来とは異なる顧客との関係を築く実験の場として捉えた店鋪。ミウッチャプラダが、ハーバードでレムが建築家という立場からショッピングの研究をしていることを知り、誘ったという話は有名ですが、プラダは、経営状況やショップの飽和感という危機感から、デザイナーから大企業への転換期を、エピセンターという判然なコンセプトで、建築や空間を含めた具体的なアイデアを都市に提示した。青山は、エピ?エゴ?という感がありましたが、この展示を見る限り、今のところ成功していると言えるのではないでしょうか。リーフレットにある「エピセンターらしい多元的な現代空間」というくだりも納得。
以下「いつもかみ合わない漫才みたいな会話」より。六階における展示の話題と結論。「テクストの位置が背面にあり、味見しながら見れない」「腰下が林立しているように見えることが優先された」という腑に落ちないニラミ合いをしながら下まで階段で降りる。地下一階のダンスするスカートは、うっかり下から覗きこんでしまいます。

補足
新建築一月号を見ると、六階の展示はスカートの森をイメージしたという事です。鏡面に空間と人と東京の風景を写しこむことを意図したと書いてあるので昼間の方が、陽の光とその反射がおりなすフレア感に包まれた空間の中で楽しめそうだ。展示は1月16日まで。

建築 | Posted by at December 28, 2004 1:32 | Comments (2) | TrackBack (2)

楽しいアイデアは人と共有できることで本当になる

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今日は、初めて(一年生の後期の課題)ティーチングアシスタントを体験しました。新しい体験をする時は、新しい発見を期待するものだけど、愚痴も聞けたし、笑い飛ばすくらいの余裕もあり、まだまだ大人げないところを露呈するくらいの交感はありました(笑)。彼らの具体的なアイデアを交えて、話をするので、初めて会った感じがしないくらい踏み込んだ話ができた。自分の考えたことが魅力的に見える。それが人と共有できる喜び。それが飛躍する瞬間。アイデアが持つ限界。それを超えるための緊張感。突き進むための執念。自分の思考が搾取(さくしゅ)される不快感。それらがめまぐるしく展開していくスピードが楽しかった。疲れるんだけどねそういうのは(笑)。結構カチンとくることもあったけど、もやもやが解消されるまで、時間の限り会話した熱意が伝わっていれば、それで十分。僕が正しい事を言っている訳ではないし。それを批判できる鋭い感性を持つことが大切。ただ、自分が間違っていることに気づくことが一番難しい。自分に素直になる開放感を発見する時の快感を味わうことができれば、きっと次の展開がどんどん現れる。時には、道筋立っていない事も許容しなければいけない。無数の解答がありえる中で、何をたよりに自分のアイデアをシンプルに整理し、多くの可能性が示唆(しさ)できるものになるか。僕の中でのシンプルというのは、多くの場合、人とアイデアを共有するためのシンボルのようなもので、迷ったときに戻れるような芯の強さを持てる思考。可能性というのは、人が飛躍させてくれる事が多く、自分の計算外であることが多い。コミュニケーションの中でもその立ち位置を確認できる。言葉で整理できなくても、自信に満ちた判然で具体的なアイデアがある空間。それは、今日のような即興性の空間でも生み出すことが出来る。そういう体験を積み重ねていく。きっと、それが自然に演じきれるような心地よさが忘れられなくなる。デザインにはそんな可能性が開かれている。今日は、僕の指摘をふまえて、文書を書いてもらいました。肩に力が入りすぎた、ある意味で完成され過ぎたもの。従順な気持ちが僕の健全な悪意によって汚されてしまった人(笑)。ただ否定的な態度をとることが正しいと勘違いしている人。などね。出来るだけ、アイデアを批判するために、よりよい具体的なアイデアによって、問題点をクリアーにしていくことを心がけました。無垢な感性がそれに引っ張られてしまうかもしれないが、きっと、プライドを持って僕の悪意を超える努力をしてくれると思っています。

以下、個人へのコメント。
4263 君も感じていると思うけれど強制力のあるシチュエーションはそぐわない場所だと思います。すでに美しい場所だから、そこに手を加えることの重みを意識しながら、妄想すべき光景は、きっと風景を切り取る瞬間に至るストーリー。または、それをじっと見ることが出来る心地よい場。そこにふたりで手をつないでいけるような健全な雰囲気。
4265 いいアイデアをもっているので、その理想に近づける一方、だれもがいいねと思えるような風景をひとつ想定してください。雑然とした住宅街に、どきっと立つような違和感かな。
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くさいものにふたをするような見た目は、みればわかってしまいます。
4269 じぶんの中で細切れの良い小さなストーリーがあるので、それらが、はまるシンプルな全体があると、人に良さが伝わると思います。個人的には、橋の上と下をつなぐ「光の柱」というのがいいかと思います。
4271 自分の世界を信じて、迷いを振り切るスピードで一度やりきってください。迷いも必要だけど、それを超える勢いも同時に必要です。内側から外を見るストーりーがあるので、海にせまる山の頂にたつ、外からそれを見る事も同じくらい考えてください。
4273 機能があるのではなく、魅せる空間が先にあるという考えは、僕の感性に一番近い感じがして楽しかったです。コンテナが、積み重なったり、つながったりするわかりやすいルールがあればいいと思うので、周辺にある程度、具体的なシチュエーションがあって、そこから派生するようなイメージ。でもいいし、ものすごい巨大な中のひとつとして考えるのも楽しいと思います。後者で行くならば、プレゼンテーションにその巨大な中に埋もれている感じがわかる、猟奇的な絵があると相当楽しいと僕は、妄想しています。
4275 自分の世界観を持って突き進むパワーを、人を誘惑するような具体的なアイデアに還元することを、否定的に見るあなたが、思考を大きく分断しています。僕が言ったようなアイデア以外で当然やってほしいし、自分の中で考える時はいいかもしれませんが、それをあなたが身体で理解していない「建築のような言葉」で説明することも、自然でない気がします。四つの場面があって、それらが繋がったり、切れたりする、複雑さが、シンプルなアイデアで繋がっていることを徹底して進めてください。あなたが言うようなのんびり出来るというのは4m×6m×9mの「小ささ」を四つに切った中で、埼玉新都心のけやきひろばで確保できるとは僕は思えません。それを鮮やかに、一蹴できるものを期待しています。
4277 音が響くための技術的な裏付けが可能ならば、良いかもしれませんが、もやもやしたまま、それを口実にこういうかたちになりましたと。言うのは、自分に対して無責任だと思います。また、空間を展開するイメージが一方通行にならないように、つないだり切ったり、試行錯誤する痕跡がまったく見えなかったので、そういう事も試してみるといいと思います。
4279 言葉に頼っているところが見られるので、具体的なアイデアを詰めてから説明できるといいと思います。携帯があるのに、あんなにたくさんの電話ボックスが必要なのかと思ってしまうということは、そこまで良い空間になっていないという事です。ハチ公前に、建つシュールさと、同時に存在する中の空間のイメージをもっと詰めてください。
4281 よい場所を見つけたので、既存の階段とどう繋がっているのかを模型でわかるようにし、現在のネガティブな場所のイメージが、反転するくらいの自分が良いとする鮮やかな風景を表現すればいいと思います。
4283 僕は見てないのでわからないですが、大西さんのアドバイス通りと思います。
4285 もっと使い込んでいけるようなイメージが沸くようにした方がいいと思います。
4287 内側から外を見るイメージがあるようなので、高層ビルの上にたったとき、外からどういう風に見える存在なのかとかも考えるといいと思います。
4289 川に浮くというのはシチュエーションがいいので、そこであり得る可能性(あながた言う、陽の光がつくる川面の輝き)を増幅するような空間を作っていけばいいと思います。
4291 木漏れ日のような空間を、実際の木でつくることでは、「手を加える必要がない。」と自分で言っているようなものなので、シンプルな箱に入ると、まるで木の下にいるような空間を作ればいいと思います。強風がそよ風になり、雨がしのげ、強い光を遮断する空間が、殺風景と言う住宅地の(待ち合わせなどに使われるような)シンボルとなるような場所を目指してください。
4293 同じ面積で、全く違う空間を体験できるアイデアは非常によいと思います。それが、ただのアトラクションとしてではなく、いろいろなシチュエーションで使えるなんて話が続くとさらに可能性が広がると思います。
4295 人工的なものを否定してしまうと、「人が手を加える事を否定する」シニカルな側面があることを知ってほしかった。だから、自然と共存できるような美しい人工物を想定することを目指してください。
4297 僕が言ったような人が居られるような使いこなせる部分と、あなたの世界観を色濃く投影した、他を受け入れないような純粋な空間があの小さな空間に共存するほうが、きっと多くの人の共感を生むことになると思います。
4299 僕が見ていないのでわからないですが、メールを見ると、難しいこと。自分の知らない世界に挑戦するところが感じられるので、大西さんの言葉を参考に、複雑に入り組んだイメージが、誰でもわかるシンプルなアイデアで繋がっていることを目指していけばいいと思います。
4303 シチュエーションは、本当にありえそうだし、よいと思います。あの大きさの中で二つの対照的な場所をもうけて、本を読む場所を使う人が選択できるイメージをもって、自分が納得できるかたちにして下さい。空間をつなぐあの狭い場所がポイントだと思うのですが、今のままでは住宅と住宅の余ってしまった隙間みたいで、心地よい気がしません。あの幅。小ささでも人を楽しい気持ちにさせることは可能だと思います。
4305 かなりもやもやしているようでしたが、人工物が、すでに美しい自然とどう融合できるのかを具体的に示すことが、あなたの使命だと思います。雪の上なかにある話ばかりでしたが、同じかたちで四季を通じて存在可能なものを考えるといいと思います。
4307 すでに魅力的な清流に、存在可能なものを考えると同時に、中に入った時に、川がもつ魅力の一つである音が反響することで、普段感じられない体験が増幅されるのは、いいと思いますが、自分の溢れる創意を作り込むことで解決するのではなく、わかりやすくする必要があると思います。造形的な表現でも可能かもしれませんが、ぼくが言うような四角い箱で、その川の魅力を増幅させる意図を解決することも可能だと思います。

建築 | Posted by at December 23, 2004 7:11 | Comments (2) | TrackBack (0)

ビッグネスが生んだ建築

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今日は、私の師である高宮先生が、MoMAのレクチャをされました。実際に見ていないので、あれこれ言いたくないんですが、建築を取り囲む話題がとても豊富な建築なので、感じたことを整理するのもいいかもしれない。ビッグネスが生んだ建築と言ってしまうと当の建築家はあまりうれしい気分になれないだろうか。それと、MoMAが持つクレバーさが、谷口建築事務所がもつ建築に対するスタンスと、非常に近いと思いました。プレゼンテーションは、まずMoMAの歴史から始まります。そこで、まずMoMAのクレバーさを知る。オープン前に実写がメディアに出ないことからもわかるように、全てが戦略をもっている。35年にJJPアウト、グロピウス、コルビジェ、ミース、FLライトに、初館設計のための白羽の矢がたつ。僕が思うにこれは、世に対するポーズだったと思う。結局五人とも辞退する運びになり、五人に比べれば、名の知れていないPhilip L. GoodwinとEdward Durell Stoneが、1939年に設計する。今回も、NYでそれほど知られていない、谷口が選ばれたんだと納得させられる。あと、有名な戦略としては、インターナショナルスタイルを、Pジョンソンとヒッチコックが企てたこともその一つ。Pジョンソンはまだ生きているそう(05'1/25に98才で亡くなりました)で、現在もMoMAと関わり合いがあり、今回のアディション(増築を含めた建築の再構築)にも少なからず関係されているというお話でした。谷口事務所が唯一コンペに出し、しかも獲得したという話はあまりにも有名ですが、コンペティションは一つのアイデアで決まってしまい実際建つ建築が良いかは全く別物という、建築に対する想いからの行動であって、今回も辞退するつもりで、ポストへ投函するぎりぎりまで行ったと。これまた納得させられる。(誰が。コンペの辞退を止めたのか? それは、谷口さんがハーバードでお世話になった師だそうです) うますぎる?いや、この仕事をやれば、このくらい言えるでしょう。言いきって欲しいとオーディエンスも思っている。豊富な図面や写真を用いて、charetteから、conceptdesign、designdevelopmentの流れの中で、こだわったNYに建つ美術館ということに聞き入り、それは楽しい時間だった。さいごに、宮本亜門がこけにされたなんてニュースも最近ありましたが、MoMAは、あのNYtimesが絶賛だったようです。それはなぜか?。氏の言葉を借りると、アメリカが持つプラグマティズムと、MoMAの戦略、今、アメリカに新しい建築があまりないという事がそうさせたのではないかと言うことでした。

*写真は、2004年1月時点の写真です。

追記:このエントリーを書くに至った楽屋落ち的な伏線。
今日は、毎度大盛況のtkmyforumでした。会が終わったあと、本音で言えよ!なんて言われ。感性剥き出しだった。感動した(笑)。MoMAのプレゼンテーションを聞いた感想を書く前に、どうでもいいけど面白い話題を羅列。先日の金沢行脚で、20数年ぶりに自分が設計した建築を見て、すごくよかった。と氏が言っておりました。なぜかというと、そのまま使われているとのこと。僕らがあーだこーだ言っている中を、かいくぐって聞いていると、行政が管理している建物だから、当時の川上元美の家具とかも、そのままあるし、いがらしさん(確認がとれたら訂正します。)の白いサインもきれいに残っていると。いっけん、使用が沈殿しているように聞こえるが、おそらくそうではないと思う。丁寧に使い込んでいるという方が、適切だと思う。こりゃ、タイムカプセルだなとか思っている時に、何か言いたそうな顔をしているように見える僕に、本音で言えよ!って言われちゃいましたが。休館日に行き、中に入れてないのもあって、よかったです。なんて言ってしまった。最悪のほめ言葉でしたが、実際よいと思っていたので。細かい見た目の趣味はおいておいて、経年変化好きには、他の視野が吹っ飛ぶくらいよかった。まぁこんなに褒め殺し、してもしかたないんですが、今日は、ずっとほめっぱなしの文章になりそう。いっつも読み返さず一気に書くのでもう先が見えている(笑)。他には、アクセスが多いんだったら、今後のことも考えて、OBからバナー広告代をもらって、レンタルサーバー代運営していけばいいんじゃないか。という話が出ている時、ライブドアの就職試験にblogを作ってアクセス数のカウンタがある程度越えないと、採用されないなんてどっかで聞いたのを思い出しながら、それもあるなと思った。今日の会で二人のOBがプレゼンテーションをしてくれて、どちらもおもしろい事をやろうとしていることが、わかりました。めじろは木造の架構の可能性。みかんは本棚がアフォードする愛着行為と建築エレメントの関係性。そういった意味で良い建築だと思います。完全なる個人的な感想を添えると。めじろのデザインはどこか、わかげのいたりというか。プランやセクションの図形的な収まりがあんまり好きじゃない(笑)。ぱっとしか見てないけど、直感でもっと整理できる気がした。もしくはやりすぎ。みかんのデザインは良いと言いたくない(笑)。それほどかっこよくもないんだけど、あえてモダンに見えないようにしている感じに素直さを感じられないが、筋はとおっているので、代表作がNHK?という感じ。全然認めてないように聞こえる?。帰り道、のんにぴよは、生活が破綻するまで行ってしまうのが危ないよ。なんて、横目で見られ、なにー!と思ったり。僕が一番素直じゃないと言いたいらしい(苦笑)。

建築 | Posted by at December 19, 2004 4:54 | Comments (4) | TrackBack (4)

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